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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):コマツ、東レ、国際石開帝石

コマツ <日足> 「株探」多機能チャートより
■コマツ <6301>  2,450.5円  +42 円 (+1.7%)  本日終値
 コマツ<6301>、日立建機<6305>など建機株が堅調。米中貿易摩擦は長期化の様相を呈し、世界経済に対する影響を警戒する動きが再び強まってきた。前日の米国株市場ではリスク回避ムードのなか、波乱含みの下げをみせた。東京市場でも中国関連株は逆風が強いが、両銘柄とも既に大きく株価水準を切り下げており、目先値ごろ感から空売り筋の買い戻しや自律反発狙いの買いが先行した。足もと外国為替市場では1ドル=109円60銭近辺まで円安方向に振れていることも支援材料となっている。

■キトー <6409>  1,554円  +26 円 (+1.7%)  本日終値
 キトー<6409>が3日続伸、改めて底値離脱の動きを強めてきた。工場向けや建設現場向けに巻上機や大型クレーンなどを手掛け、安倍政権が推進する国土強靱化で恩恵を受けることが期待されている。同社では橋梁や火力発電所向けなどに特化した営業セクションを立ち上げており、インフラ関連需要の取り込みに傾注している。海外では中国向け売り上げ拡大に期待が大きい。「同社製品は中国の内需向け比率が8割に達していることで米中貿易摩擦の影響は受けにくい」(国内中堅証券)ことも強みとなっている。

■国際石油開発帝石 <1605>  913.6円  +12.5 円 (+1.4%)  本日終値
 国際石油開発帝石<1605>が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は29日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」と目標株価1540円を継続した。同証券では、豪州のイクシスLNGプロジェクトの純利益の増益見通しを株価は十分に織り込んでいないとみている。また、19年12月期は9カ月決算で会社側では純利益900億円を予想している。同証券では12カ月決算に戻る20年12月期の連結純利益を1600億円と見込んでおり、1年間の利益がフル計上された19年3月期の961億円と比較して大幅増益となることを評価している。また、19年12月期の配当金は24円と、19年3月期の24円に比べ、実質では増配見通しであることも指摘している。

■三菱UFJ <8306>  509.1円  +3.6 円 (+0.7%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、第一生命ホールディングス<8750>が小幅ながら反発に転じるなど底堅さをみせた。米中摩擦の長期化で不確実性が高まっていることを背景に、世界的な景気減速懸念から安全資産である債券に投資マネーが流れ込んでいる。前日の米10年債利回りは一時1年8カ月ぶりの低水準である2.21%台まで下落し、3カ月物TB利回りとの逆イールド現象が鮮明となっており、前日の米国株市場では金融株が軟調な値動きとなった。ただ、東京市場ではメガバンクや保険セクターは既に大きく水準を切り下げており値ごろ感が意識されている。足もとは配当利回りの高さなどに着目した押し目買いを引き寄せた。

■日経Dインバ <1357>  1,207円  +8 円 (+0.7%)  本日終値
 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>は続伸。既に中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を上に抜け、1200円台に歩を進めている。日経平均株価のマイナス2倍の変動率に設定された逆連動型のETF。全体軟調相場では下げ相場に対するヘッジ目的や、全体指数を空売りする感覚で個人投資家などの短期資金を呼び込む。米中貿易摩擦の長期化が世界景気減速懸念につながっており、同銘柄の強調展開は足もとの市場心理の悪化を反映している。

■東レ <3402>  751.9円  +3.8 円 (+0.5%)  本日終値
 東レ<3402>がしっかり。同社はきょう、5G通信や自動運転などに用いられるミリ波レーダー向け電子部品に適したポリイミド材料を開発したと発表。これが株価の下支えとなった。この材料は、ポリイミドの特徴である耐熱性や機械特性、接着性など高速通信に必要な低誘電損失の性能を兼ね備えており、これら部材に使われる高周波部品の性能向上に貢献できるとしている。

■日本郵船 <9101>  1,649円  +8 円 (+0.5%)  本日終値
 日本郵船<9101>、NSユナイテッド海運<9110>など海運株が強い動きをみせ、業種別騰落率で値上がり上位に食い込んでいる。米中両国の通商交渉は既に貿易戦争の様相を呈しているが、中国経済については減速懸念が強い一方で政府当局の景気刺激策に対する期待感も根強い。それを映しているのが中国景気と連動性の高いバルチック海運指数で、これは鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況(運賃)が指数化されたもの。4月後半以降は上昇基調が鮮明で、直近29日現在で25ポイント高の1107と今年1月中旬以来となる1100台を回復した。これを背景に海運株に底値買いの動きが出ている。

■資生堂 <4911>  7,875円  -176 円 (-2.2%)  本日終値
 資生堂<4911>、花王<4452>などの下げが目立つ。資生堂は8000円大台を約1カ月半ぶりに割り込んだ。米中両国間の通商交渉は合意に向けた糸口がつかめず、貿易戦争の様相を強めている。そのなか、中国景気への影響が改めて懸念されるなか、中国向け売上比率の高い両銘柄は見切り売りの動きが表面化した。5月相場ではディフェンシブセクターとして、主力ハイテクセクターからの資金シフトの動きがみられていただけに、目先利益確定売りの対象となっている。

■ホープ <6195>  2,015円  +400 円 (+24.8%) ストップ高   本日終値
 ホープ<6195>が3日連続のストップ高と異色の上げ足。株価は3営業日でほぼ2倍となり、2017年6月以来約2年ぶりとなる2000円大台を回復した。同社は自治体が保有する広告枠などの販売代理業を展開し好調に案件を伸ばしている。27日引け後に、19年6月期単独業績予想の修正を発表、営業損益は3200万円の赤字から5500~7000万円の黒字(前期実績は1億2100万円の赤字)に上方修正しており、これが物色人気化の発端となった。前期にスタートさせた新規事業のエネルギー事業の取引規模が会社側想定を上回り増収効果をもたらしているほか、利益面ではマーケティング&メディア事業におけるジチタイワークスの発行数増加、BtoGマーケティングなど高収益サービスが好調で押し上げ要因となっている。時価総額30億円未満と小型で、値動きの軽さに着目した投機資金の攻勢が加速している。

■アサカ理研 <5724>  2,090円  +400 円 (+23.7%) ストップ高   本日終値
 レアメタル・レアアース関連株が連日の人気化。レアアース・レアメタルのリサイクル事業を展開するアサカ理研<5724>は前日に続きストップ高。また、レアメタルなどを取り扱う非鉄関連の専門商社であるアルコニックス<3036>が一時、前日に比べ9%超上昇。レアメタルのチタンの中間製品であるスポンジチタンを扱う大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>や東邦チタニウム<5727>も上伸している。中国共産党機関紙、人民日報は29日の論説でレアアース(希土類)の対米輸出規制を示唆した。これを受け、世界の株式市場でレアメタル・レアアース関連株が上昇。米市場では、レアアース関連株を集めた「ヴァンエック・ベクトル・レアアース・ストラテジックETF」が買われるなど、同関連株は国内外投資家の関心を集めている。

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