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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米中摩擦懸念が重石に


21日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。イタリア財政問題などを背景に欧州通貨は売られやすく、ドル選好地合いは継続か。ただ、米中貿易摩擦をめぐる懸念で円買い圧力は残り、ドルが一段高となるシナリオは描きにくい。

前日の海外市場では、ファーウェイの取り扱いをめぐる米中対立を懸念した円買いが優勢となり、ドルは一時109円81銭まで軟化。ただ、NY終値は110円台を維持しており、ドルは底堅さが意識される。本日アジア市場では、豪準備銀行(中央銀行)の理事会議事要旨やロウ総裁の発言で6月利下げへの思惑から豪ドルは軟化。一方、日本時間21日朝に行われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演では、米中貿易戦争への直接的な言及はなかった。

この後の欧米市場では、引き続き米中貿易摩擦がテーマとなろう。要人発言などに反応しやすく、方向感はつかみにくい。足元で過度な懸念は後退しているものの、米中双方とも譲歩せず、株価や長期金利の低下でドル安・円高方向への圧力は残る。ただ、日本時間18時公表予定の経済開発機構(OECD)の経済見通しが下方修正された場合、安全通貨のドルと円に資金が流入しよう。半面、今晩予定されるシカゴ連銀総裁とボストン連銀総裁の講演などで景気見通しなどについて強気な見解は想定しにくいことから、リスク選好的なドル買いが強まる可能性は低いとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 カーニー英中銀総裁らが議会証言(5月インフレ報告)
・18:00 OECD世界経済見通し
・23:00 米・4月中古住宅販売件数(予想:535万戸、3月:521万戸)
・23:00 ユーロ圏・5月消費者信頼感指数速報値(予想:-7.7、4月:-7.9)
・23:45 エバンス米シカゴ連銀総裁が討論会参加
・01:00 ローゼングレン米ボストン連銀総裁講演(NYエコノミッククラブ)
・日米通商交渉事務協議(ワシントン)

《FA》

 提供:フィスコ

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