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【市況】内需系中心とした好業績や割安感のある銘柄などへの押し目を狙う展開【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

20日の日経平均は続伸。51.64円高の21301.73円(出来高概算11億7000万株)で取引を終えた。朝方発表された2019年1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.5%増と2四半期連続でプラス成長となった。市場コンセンサスは0.3%減を予想していたこともあり、これがサプライズとなる格好から日経平均は21300円を回復して始まると、一時21430.06円まで上げ幅を広げる局面もみられた。ただし、輸入の急減が成長率を押し上げた格好だったこともあり、中身が伝わる中で次第に上げ幅を縮める展開。また、アジア市場の弱い流れも手掛けづらさにつながっており、買い一巡後は21300円を挟んでの狭いレンジ取引が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは不動産、水産農林、陸運、その他製品、倉庫運輸、医薬品など内需系中心に上昇。半面、鉄鋼、電気機器、機械、金属製品、卸売りが冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、テルモ<4543>がけん引。一方で、東エレク<8035>、ファナック<6954>、安川電<6506>、信越化<4063>が重石になった。

朝方の上昇については、GDPのサプライズにアルゴリズムが反応したとの見方がされていた。売買代金も2兆円を下回っている状況であり、薄商いの中でアルゴにより先物が反応した格好のようである。その後は狭いレンジ取引であったが、米中関係悪化によって中国関連は手掛けづらく、さらに米国による華為技術(ファーウェイ)排除の動きからハイテク株についても方向感を掴みづらくさせているため、こう着は想定内といったところであろう。

日経平均は下値を切り上げる格好でリバウンド基調をみせてきており、押し目を拾う動きは次第に高まる可能性はある。一方で連日の上ヒゲ形成で75日線や一目均衡表の雲上限が抵抗として機能しており、同水準が上値抵抗線として意識されている。米中貿易摩擦は、6月下旬に開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談を予定していることから、それまでは解決することは考えづらい。何らかの進展といった期待も高まらず、G20通過までは抵抗線突破は厳しいとの見方にもつながりそうである。そのため、足元では内需系中心にはなりそうだが、好業績や割安感のある銘柄などへの押し目を狙う展開になろう。

《CN》

 提供:フィスコ

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