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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~1-3月期GDP速報値のプラス成長はサプライズに

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は続伸、1-3月期GDP速報値のプラス成長はサプライズに
・ドル・円は上昇一服、利益確定売りも
・値上がり寄与トップは、ファーストリテ<9983>、同2位はテルモ<4543>

■日経平均は続伸、1-3月期GDP速報値のプラス成長はサプライズに

日経平均は続伸。57.75円高の21307.84円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えた。朝方発表された2019年1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.5%増と2四半期連続でプラス成長となった。市場コンセンサスは0.3%減を予想していたこともあり、これがサプライズとなる格好から日経平均は21300円を回復して始まると、一時21430.06円まで上げ幅を広げる局面もみられた。ただし、買い一巡後は米中関係悪化への警戒感から次第に上げ幅を縮めており、その後は21300円を挟んでのこう着感の強い相場展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは水産農林、不動産、陸運、その他製品、医薬品がしっかり。半面、鉄鋼、電気機器、機械、金属製品、繊維が冴えない。指数インパクトの大きいところではファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、ソフトバンクG<9984>がけん引。一方で東エレク<8035>、信越化<4063>、ファナック<6954>が重石となった。

1-3月期GDP速報値の2四半期連続のプラス成長はサプライズであった。これにより寄り付き直後には21400円を回復する局面もみられたが、米中関係悪化によって中国関連は手掛けづらく、さらに米国による華為技術(ファーウェイ)排除の動きからハイテク株についても方向感を掴みづらくさせているため、買い一巡後のこう着は想定内といったところであろう。

また、テクニカル面でも日経平均は連日の上ヒゲ形成で75日線や一目均衡表の雲上限が抵抗として機能しており、同水準が上値抵抗線として意識されている。米中関係については、6月下旬に開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談を予定していることから、それまでは解決することは考えづらい。そのため、何らかの進展がみられないと、G20通過までは抵抗線突破は厳しいとの見方にもつながりそうである。

ただし、VIX先物のショートポジションはピーク時から半減するなど、需給調整は進んでいる。相場急落といった過度な警戒感は和らいできており、上値は抑えられるものの、押し目拾いの動きは次第に強まってくる展開も意識されてきそうである。


■ドル・円は上昇一服、利益確定売りも

20日午前の東京市場でドル・円は上昇一服。日本の強い国内総生産(GDP)を受け日本株高を背景とした円売りが強まったが、ドルは利益確定売りで上昇は一服した。

今朝発表された日本のGDPは予想に反して堅調な内容となり、日経平均株価の強含みで円売りが先行。ドルは110円30銭台に浮揚した。ただ、上海総合指数の軟調地合いで円売りはいったん収束し、ドルは失速した。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持しており、日本株が目先もプラス圏推移を継続するとの期待感から、円売り基調は変わらず。また、米株式先物は買い先行で、今晩の株高を先取りしたドル買いも観測される。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円02銭から110円32銭、ユーロ・円は122円82銭から123円07銭、ユーロ・ドルは1.1159ドルから1.1167ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・環境管理センター<4657>やカーディナル<7855>など、5銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、ファーストリテ<9983>、同2位はテルモ<4543>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・茂木経済財政相
「消費税引き上げは不可欠で10月に実施」

【経済指標】

・日・1-3月期GDP1次速報:前期比年率+2.1%(予想:-0.2%、10-12月期:+2.1%←+1.9%)


<国内>
・13:30 3月鉱工業生産確報(速報値:前月比-0.9%)

<海外>
特になし

《HH》

 提供:フィスコ

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