【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:ヘリオス、ウエルシア、楽天
ヘリオス <日足> 「株探」多機能チャートより
ヘリオス<4593>の戻り足が急。今月5日を境に一貫した上げ足で異彩を放ち、今週16日こそ上昇一服となったものの、すかさず押し目は拾われ切り返す展開。同社は理化学研究所から特許ライセンスを受けiPS細胞関連分野での技術を活用した医薬品開発に注力するバイオベンチャーだが、最近は国内外証券会社の強気の投資判断が相次いでいる。iPS細胞は再生医療だけでなく、創薬への活用にも期待が高まっているが、最近では京都大学などの研究チームがALS(筋萎縮性側索硬化症)の根治を目指す治験を開始することが伝わるなど、関連銘柄にも思惑が広がりやすい状況にある。そうしたなか、同社は再生医療分野に傾注する大日本住友製薬<4506>と連携して、iPS細胞由来のRPE細胞(iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞)による加齢黄斑変性症治療の治験準備を進めていることで注目度が高い。また、脳梗塞急性期の脳炎症を対象とした体性幹細胞医薬品「HLCM051」の治験を実施中で2020年の治験終了を目指しており、こちらもマーケットの関心を集めている。
■トリケミカル研究所 <4369> 6,360円 +440 円 (+7.4%) 11:30現在 東証1部 上昇率3位
トリケミカル研究所<4369>が続急伸。半導体向けなどに使われる化学薬品メーカーで多品種小ロット生産を強みとしている。とりわけ低誘電率の絶縁膜材料で高水準の世界シェアを有している。絶縁膜材料はDRAM系及びロジック系半導体向け双方で需要を獲得し成長を牽引する見込み。業績面では20年1月期売上高が88億3000万円(前期比13%増)、最終利益は24億7000万円(同9%増)予想と好調。半導体関連の中小型株がここ相次いで上値を指向するなか、同社株も改めて投資資金のターゲットとなっている。
■ウエストHD <1407> 1,355円 +90 円 (+7.1%) 11:30現在
18日午前、ウエストホールディングス <1407> [JQ]が発行済み株式数(自社株を除く)の3.56%にあたる90万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は4月19日から7月31日まで。
■ウエルシア <3141> 4,045円 +210 円 (+5.5%) 11:30現在 東証1部 上昇率6位
ドラッグストア大手のウエルシアホールディングス<3141>が4日ぶりに急反発している。同社は17日取引終了後に、定款の一部を変更し、事業目的に「灯油販売」「コインランドリーの企画開発、建設、管理運営及びコンサルタント」を追加すると発表。業容拡大による収益への寄与などが期待されているようだ。追加の目的は、グループ事業の現状に即し事業内容の明確化を図るとともに、今後の事業展開に備えるため。定款変更のための株主総会開催日は5月28日を予定している。
■TOKYO BASE <3415> 1,029円 +48 円 (+4.9%) 11:30現在 東証1部 上昇率8位
TOKYO BASE<3415>が4連騰し、3月22日につけた年初来高値1018円をクリアした。純国産ブランドに特化したアパレルを展開、セレクトショップ「STUDIOUS」と独自ブランド店「UNITED TOKYO」を主要拠点に積極的な店舗戦略を進めている。19年2月期は増収も秋冬物商戦の苦戦により利益を減らしたが、20年2月期は売上高が166億1000万円(前期比19.0%増)と大幅な増収を見込むとともに、営業利益も18億2700万円(同30.0%増)と3割の伸びを見込んでいる。販管費の抑制と在庫調整の進展が利益貢献する見通しで株価も見直し人気に乗っている。
■楽天 <4755> 1,209円 +35 円 (+3.0%) 11:30現在
楽天<4755>が大幅続伸で2017年10月以来1年半ぶりの高値水準に浮上してきた。今年10月に携帯電話事業に参入するが、5G基地局ではソフトウェア分野の実力をいかんなく発揮して低コストでのネットワーク構築を行う計画。19年12月期はコスト負担などで営業減益は回避しにくいが、これは株価には織り込み済みとみられる。トップラインの大幅な伸びは来期以降の成長の足場となるとの見方で、継続的な実需買いを呼び込んでいる。
■ローム <6963> 8,350円 +100 円 (+1.2%) 11:30現在
ローム<6963>が5連騰、TDK<6762>も4連騰と上値追いを続け、電子部品株への投資資金流入が目立つ状況となっている。スマートフォン出荷台数の減少が報じられるなか同業界の収益環境は逆風が意識されていたが、ここにきて在庫調整完了が近いとの見方も強まってきた。直近は米アップルとクアルコムの知的財産を巡る争いが劇的に和解したこともあり、アップルの有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーにとってもポジティブな思惑として株価を刺激している。
■ファーストリテイリング <9983> 62,870円 +470 円 (+0.8%) 11:30現在
ファーストリテイリング<9983>は10連騰で上場来高値を更新。11日の取引終了後、19年8月期の業績予想を下方修正したが、下期見通しは据え置いたことが好感された。また、足もとでは「月末からの10連休を控え、信用売り方がショートポジションを閉じている」(市場関係者)との観測が出ている。直近の株価上昇で信用売りが膨らみ、信用倍率は0.15倍と売り長で「逆日歩」が発生している。連休中は取引ができなくなることも警戒され、売り方は買い戻しを迫られ踏み上げ相場となっている格好だ。
■日本電産 <6594> 15,830円 +100 円 (+0.6%) 11:30現在
日本電産<6594>は3日ぶりに小幅反発している。岩井コスモ証券は17日付で、同社株に対する投資判断「A」を継続し、目標株価を1万4100円から1万9000円へ引き上げた。同社が16日に発表した、オムロン<6645>からの自動車制御装置事業の買収を受け、業績見通しを見直したことに伴い、目標株価を引き上げたとしている。今回の買収による直接的なインパクトは大きくないが、同社のモータと買収先の制御装置を組み合わせることで製品をモジュール化でき、高い付加価値(利益率15%程度)を狙うことを可能にしていると指摘。同社は車載用モータでは最後発であるが、モータにおいて、同社の小型化技術、低コスト、レスポンスの速さで圧倒的な競争力あり、先見性のあるスピード経営が競争力をさらに高めているとみている。足もとの向かい風が完全に止んだとは言えないが、中長期視点が必要あり、次の一手に注目したいとしている。同証券では19年3月期営業利益について、会社側計画の1450億円に対して1480億円(前の期比11%減)、20年3月期の同利益は今期推定比31%増の1940億円になると予想している。
■いちご <2337> 369円 -22 円 (-5.6%) 11:30現在 東証1部 下落率10位
17日に決算を発表。「今期経常は1%減益へ」が嫌気された。
いちご <2337> が4月17日大引け後(15:00)に決算を発表。19年2月期の連結経常利益は前の期比20.3%増の230億円に伸びたが、20年2月期は前期比1.2%減の228億円に減る見通しとなった。
⇒⇒いちごの詳しい業績推移表を見る
■キヤノン <7751> 3,223円 -111 円 (-3.3%) 11:30現在
キヤノン<7751>が反落している。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「2019年12月期の業績予想を下方修正する。本業のもうけを示す連結営業利益(米国会計基準)は2700億円強と前期に比べて2割減少しそう」と報じており、会社側の従来予想である3250億円を下回るとの観測が売り材料視されているようだ。記事によると、スマートフォンの機能向上によるデジタルカメラ市場の縮小や半導体市況の悪化が打撃となるという。なお、決算発表は24日の予定だ。
■かんぽ生命保険 <7181> 2,307円 -68 円 (-2.9%) 11:30現在
かんぽ生命保険<7181>が6日続落し年初来安値を更新した。同社は、筆頭株主の日本郵政<6178>が株式を放出する株式売り出しを実施しているが、その売り出し価格2375円を割り込んでいる。16日~17日が売り出しの申込期間だったが、両日は同時に幹事証券が株式を買い支えることができる「安定操作可能期間」でもあり、17日の株価は2375円と売り出し価格と同値で取引を終えていた。ただ、安定操作期間が終わったこともあり、この日は売りが膨らむなか、株価は売り出し価格を一気に下回った。23日が受渡日となり、それまでに株価が売り出し価格を回復するか、どうかが注目されている。
■アルメディオ <7859> 213円 +50 円 (+30.7%) ストップ高 11:30現在
アルメディオ<7859>がストップ高。同社は検査用CDのトップメーカーで事業の多角化にも積極的に取り組んでいる。17日取引終了後、新規事業としてナノマテリアルの研究開発と製造・販売事業を開始することを発表、これを材料視する形で投資資金が流入した。足もとの業績は低迷しているが、時価総額20億円前後の超小型株で、株価は200円未満と低位に位置しており、個人投資家を中心に短期値幅取りを狙う動きが活発化しやすい。
■アクロディア <3823> 228円 +50 円 (+28.1%) ストップ高 11:30現在
アクロディア<3823>が急動意。同社はソフトのライセンス販売を主力にIoT分野などを開拓、不動産サブリースなどにも多角化を図っている。17日取引終了後、スマートフォンやタブレット端末があればどこでもゲームを楽しむことができる「オンラインビンゴカジノシステム」の開発を完了し、システム提供を開始したことを発表、これを手掛かり材料に短期資金が流入している。株価は底練りが続いていたが、25日移動平均線とのマイナスカイ離を解消しトレンド転換を示唆している。
■環境管理センター <4657> 411円 +52 円 (+14.5%) 11:30現在
環境管理センター<4657>が大幅続伸し、新値追いとなっている。同社は16日に、中国浙江省に嘉興市九分鐘生物科技と合弁で、悪臭対策に特化したコンサルティング会社を設立したと発表しており、これが引き続き材料視されているようだ。中国では経済発展とともに大気汚染が大きな社会問題となっており、悪臭問題も顕在化しつつある。同国では悪臭分野専門の研究機関はまだ少なく、合弁会社は大学などと連携を取りつつ、悪臭対策のコンサルティングを行う計画で、同社は日本で培った経験をもとに技術支援するとしている。
●ストップ高銘柄
サンバイオ <4592> 4,710円 +700 円 (+17.5%) ストップ高 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース