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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、目先の重要経済指標を見極め

米ドル/円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

17日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。中国国内総生産(GDP)が予想以上の伸びとなり景気減速の懸念後退で円安方向に振れやすい見通し。ただ、主要国の重要経済指標の発表が続くことや米国の対日貿易赤字是正への警戒から、ドル・円の上昇は限定的となりそうだ。

前日の取引では、ドイツのZEW景気期待指数が予想を大きく上回り、リスク回避の円買いは縮小。112円付近の利益確定売りに押されながらも、米株高・長期金利の上昇で底堅く推移した。本日のアジア市場でドル・円は3月につけた年初来高値を更新し、一時112円17銭まで強含んだ。その後発表された中国の経済指標は1-3月期GDPなどが堅調な内容に。3月31日発表の製造業PMI以降、強い指標が目立ち、中国をはじめ主要国の景気減速を懸念した円買いは弱まりつつある。それを受け、ユーロや豪ドルなどが買われ、クロス円は円上昇基調が続きそうだ。

ただ、安全通貨としてのドルと円は売られやすく、ドル・円の一段の上昇は見込みにくい。今晩から明日にかけて発表される欧州のインフレやPMI、米国の製造業や小売など注目される指標を前に、積極的なドル買いは手控えられるだろう。加えて、15-16日に行われた日米通商協議の結果は円売りを抑制する見通し。トランプ政権は「米国側は非常に大きな対日貿易赤字に懸念する」(ライトハイザー米通商代表部代表)などと指摘し、農業分野の市場開放のほか為替条項の導入に警戒が強まる。ドル・円はクロス円にけん引される可能性はあるが、112円台は引き続き売られやすいだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・3月消費者物価指数(前年比予想:+4.5%、2月:+4.1%)
・17:00 ユーロ圏・2月経常収支(1月:+368億ユーロ)
・17:30 英・3月消費者物価指数(前年比予想:+2.0%、2月:+1.9%)
・17:30 英・3月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.1%、2月:+2.2%)
・18:00 ユーロ圏・2月貿易収支(1月:+15億ユーロ)
・18:00 ユーロ圏・3月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.4%、速報値:+1.4%)
・21:30 米・2月貿易収支(予想:-534億ドル、1月:-511億ドル)
・21:30 カナダ・2月貿易収支(予想:-32.5億加ドル、1月:-42.5億加ドル)
・21:30 カナダ・3月消費者物価指数(前年比予想:+1.9%、2月:+1.5%)
・23:00 米・2月卸売在庫(前月比予想:+0.3%、1月:+1.2%)
・01:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が討論会出席(経済見通し)
・01:45 ブラード米セントルイス連銀総裁講演(米国、世界経済関連)
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

《FA》

 提供:フィスコ

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