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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、世界経済の減速懸念も欧州通貨売りでドル選好

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

25日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。世界経済の減速が顕著になり、リスク回避の円買いが主導する見通し。ただ、ブレグジットの不透明感などで引き続き欧州通貨が売られやすいなか、ドル選好地合いがドル・円の下げをある程度吸収する可能性があろう。

22日の海外市場でドイツの3月製造業PMI速報値が経済活動の拡大・縮小の境目となる50を大きく下回り、ユーロ圏経済の減速を嫌気したユーロ売り・円買いが優勢となった。その後、発表された米製造業PMIは50を上回ったものの予想を下振れ、欧米の景気減速が鮮明になり円買い優勢の地合いに。ドル・円は2月11日以来1カ月半ぶりに110円を割り込んだ。週明けのアジア市場では日本株や中国株のある程度の下げは見込まれていたが、日経平均株価が2万1千円の大台を下抜けたことで売り圧力が増幅され、リスク回避の円買いが一層強まった。

今晩の取引では、ドルがどこまで値を戻せるかが焦点。足元では経済指標がより神経質に注目され、18時発表のドイツの3月IFO企業景況感指数が手がかりになる。同指数は前回(6カ月連続で低下)から横ばいが予想されるものの、下振れが大いに警戒され、ユーロ売りが再燃し、相対的にドル買いに振れる可能性がありそうだ。ただし、前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)のハト派的な方針決定もあり、ドル指数は週足でこのところ下落トレンドに振れている。今晩発表の米経済指標では、2月シカゴ連銀全米活動指数は2カ月連続でマイナス予想、3月ダラス連銀製造業活動指数も再び低下が予想され、米経済の減速も意識されれば、ドルの戻りは限定的となろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・3月IFO企業景況感指数(予想:98.5、2月:98.5)
・19:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演(経済見通し、ロンドン)
・21:30 米・2月シカゴ連銀全米活動指数(予想:-0.38、1月:-0.43)
・23:30 米・3月ダラス連銀製造業活動指数(予想:9.0、2月:13.1)

《FA》

 提供:フィスコ

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