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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、米経済指標にらみ111円回復を意識

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

22日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い展開を予想する。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱への根強い警戒で欧州通貨売りが続き、ドルに買いが入りやすい見通し。今晩発表の米経済指標が底堅い内容となれば、ドル・円は111円台を回復する可能性もあろう。

前日の海外市場では、英国のEU強硬離脱への警戒感が再び広がり、ポンドとユーロをはじめ欧州通貨が弱含んだ。また、ユーロ圏の3月消費者信頼感指数が予想を下回り、域内経済の減速懸念もユーロ売りにつながった。そのため、欧州通貨売りを背景に、ドルに買いが入り、前日の連邦公開市場委員会(FOMC)後のドル売り主導の展開を修正する動きになった。本日のアジア市場でもその流れを受け継ぎ、ドル・円は日本株や中国株が軟調地合いながらも底堅い値動きになり、110円台後半の水準を維持。目先は111円回復を目指す展開となりそうだ。

海外市場では、主要経済指標が材料視されよう。ドイツとユーロ圏の3月製造業PMIは経済活動の拡大・縮小の境目となる50を引き続き下回る公算で、ユーロ売りに振れやすい。一方、米国の3月製造業PMIは53台で前回を上回る見通し。前日発表の3月フィラデルフィア製造業景況指数は前回のマイナスから大幅なプラスへと改善しており、今晩の製造業PMIが堅調な内容となればドルの押し上げ材料となろう。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の予想以上にハト派的な方針決定を背景に、米長期金利の先安観がドル買いを控えさせる要因となりそうだ。また、重要イベントの通過で週末の調整も意識され、ドル・円は111円付近からのドル売りが上昇を抑える可能性もあろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 独・3月製造業PMI速報値(予想:48.0、2月:47.6)
・17:30 独・3月サービス業PMI速報値(予想:54.8、2月:55.3)
・18:00 ユーロ圏・3月製造業PMI速報値(予想:49.5、2月:49.3)
・18:00 ユーロ圏・3月サービス業PMI速報値(予想:52.7、2月:52.8)
・18:00 ユーロ圏・1月経常収支(12月:+162億ユーロ)
・21:30 カナダ・2月消費者物価指数(前年比予想:+1.4%、1月:+1.4%)
・21:30 カナダ・1月小売売上高(前月比予想:+0.4%、12月:-0.1%)
・22:45 米・3月製造業PMI速報値(予想:53.5、2月:53.0)
・22:45 米・3月サービス業PMI速報値(予想:55.5、2月:56.0)
・23:00 米・2月中古住宅販売件数(予想:510万戸、1月:494万戸)
・23:00 米・1月卸売在庫速報値(前月比予想:+0.1%、12月:+1.1%)
・03:00 米・2月財政収支(予想:-2270億ドル、18年2月:-2152.39億ドル)
・EU首脳会議(最終日)

《FA》

 提供:フィスコ

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