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【市況】引き続き外部環境を睨みながらの相場展開/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 22日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が見込まれる。注目されていた連邦公開市場委員会(FOMC)では、大方の予想通り政策金利は据え置かれた。インフレ圧力の緩和や経済成長の後退を受けて19年度の利上げ見通しをゼロに引き下げたほか、米国債などの資産縮小は9月に終了する方針を明らかにした。20日の米国市場は長期金利の低下が嫌気された金融株主導での下落となり、NYダウは141ドル安となった。しかし、21日の米国市場は半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器がけん引する格好となり、NYダウは216ドル高と前日の下落部分を吸収していることから、日本株市場は落ち着いたスタートになりそうだ。シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円安の21415円。円相場は1ドル110円80銭台で推移している。

 引き続き外部環境を睨みながらの相場展開となるほか、週末要因もあって商いは膨らみづらいだろう。欧州委員会は、メイ英首相が要請した、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を6月30日に延期することに反対していると報じられている。また、トランプ大統領は中国との貿易問題の協議について、合意に至った後でもすでに課している追加関税を解除しない姿勢を示しており、米中交渉の長期化も意識されるところであろう。

 売り方の買い戻しのほか、期末要因に伴う貸株返済による買い戻し、配当再投資に絡んだ買い需要等から、底堅さは意識されやすいと考えられるが、引き続き上値を買い上がる参加者は皆無といったところである。ただし、物色面については米国市場の流れからハイテクセクターが選好されやすく、これが日経平均をけん引することも考えられよう。なお、半導体大手AMDは同社のGPUがGoogleのゲーム・ストリーミング・プラットフォーム「Stadia」に採用されたことを発表。マイクロン・テクノロジーは、DRAM半導体需要の減速に対応するため生産及び設備投資の削減を発表し、いずれも大幅上昇となっている。半導体などハイテク株のほか、ゲーム関連などへの波及が意識される。

 一方で、エーザイ<4523>とバイオジェンは、アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の後期臨床試験2試験を打ち切ると発表しており、バイオ関連は手掛けづらくなりそうだ。その他、翌週には3月期企業の決算期末となるが、足もとで底堅い値動きが続いていることもあり、配当・優待の権利取り最終日を待たずに、これら対象銘柄への物色も強まりやすいだろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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