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【特集】コスモ・バイオ Research Memo(1):世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社

コスモバイオ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

1. 世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社
コスモ・バイオ<3386>は、世界の大学・公的研究機関・検査機関・企業・病院などの研究室・検査室で使用される、ライフサイエンスに関する研究用試薬・機器・消耗品及び臨床検査薬を仕入れ、販売代理店経由で販売している。研究者と仕入先を結び、世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社である。

2. グローバルネットワークや業界最大級の品ぞろえが強み
グローバルな仕入・販売ネットワークを構築し、最先端・高品質の製品や最新の技術情報で、ライフサイエンス研究者にサービスを提供している。グループ内のメーカー機能や、多様な顧客ニーズに応える業界最大級の品ぞろえなどを特徴としている。ライフサイエンス研究は非常に広範囲であり、多種多様な製品・技術情報・受託サービスをワンストップで提供できることが強みだ。

3. 収益は第1四半期(1月-3月)の構成比が高い特性
収益は、仕入の6~7割が輸入品のため、仕入原価が為替変動の影響を受けやすい。またエンドユーザーである大学・公的機関の研究費や企業の研究開発費など、ライフサイエンス研究関連費用の支出動向の影響を受けやすい。このため国の年度末及び多くの企業の決算期末に当たる第1四半期(1月-3月)の構成比が高く、新年度に当たる第2四半期(4月-6月)の構成比が低くなりやすい特性がある。

4. 2018年12月期営業利益は計画超で大幅増益
2018年12月期連結業績は、売上高が前期比2.7%増の7,261百万円、営業利益が同70.1%増の328百万円、経常利益が同1.6%増の403百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.4%増の260百万円だった。売上高は計画を下回ったが増収を確保した。営業利益は計画を上回り大幅増益だった。利益性の高い製品・サービスの拡販に加えて、販管費が想定を下回った。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も計画を上回り、いずれも減益予想から一転して増益で着地した。

5. 2019年12月期は減益予想だが上振れ余地
2019年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比1.9%増の7,400百万円、営業利益が同39.1%減の200百万円、経常利益が同38.1%減の250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同46.2%減の140百万円としている。想定為替レートは1米ドル=115円(2018年12月期実績1米ドル=110円)である。売上面では自社製品・サービス拡販などで、複数の大手仕入先との契約終了前の2016年12月期水準への回復を目指す。利益面ではドル高・円安による仕入コスト上昇、積極的な投資に伴う減価償却費や研究開発費の増加、本社移転の一時的費用などを見込み、各利益とも減益予想としている。ただし為替想定を含めて保守的な印象が強く、上振れ余地があるだろう。

6. 自社製品・サービス拡大して中長期的に成長期待
市場伸び悩みや円安環境下でも、自社製品・サービスなど高付加価値化による既存事業の強化、新規事業基盤の創出などで、高収益構造の確立を目指す方針だ。ペプチド合成・抗体作製受託サービス事業の拡大に加えて、遺伝子改変ニワトリの鶏卵を用いたゲノム編集技術によるタンパク質製造事業、アミロイドタンパク質抽出技術の特許実施許諾契約に基づく自社製品拡充など、成長分野への展開に向けた布石を着実に打っている。自社製品・サービスが拡大して中長期的に成長が期待される。

7. 利益還元は収益状況の見通しなどを総合的に勘案
利益還元については安定配当を念頭に置き、配当性向を重視しつつ、今後の収益状況の見通しなどを総合的に勘案して決定することを基本方針としている。この基本方針に基づいて2018年12月期の配当は2017年12月期と同額の年間14円とした。連結配当性向は31.9%である。また2019年12月期の配当予想は2018年12月期と同額の年間14円としている。予想連結配当性向は59.3%となる。

■Key Points
・世界のライフサイエンス研究の進歩・発展に貢献するバイオ専門商社
・2019年12月期は減益予想だが上振れ余地
・自社製品・サービスを拡大して中長期的に成長期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SF》

 提供:フィスコ

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