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【特集】ソフトブレーン Research Memo(1):「eセールスマネージャー」の好調持続により、業績は増収増益が続く見通し

ソフトブレン <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

ソフトブレーン<4779>は企業の営業課題を解決、支援するための営業支援システム(CRM/SFA)である「eセールスマネージャー」の開発、販売を中心とした営業イノベーション事業※と、子会社で展開するフィールドマーケティング事業が主力事業となっている。「eセールスマネージャー」は、総合満足度No.1の営業支援ツールとして国産ベンダーでトップシェア、累計導入企業数は5,000社を超えている。

※2018年12月期より、eセールスマネージャー関連事業を営業イノベーション事業に改称している。事業内容は同一のため、本レポートでは営業イノベーション事業に統一して記載。


1. 2018年12月期業績概要
2018年12月期の連結業績は、売上高が前期比13.6%増の9,188百万円、営業利益が同30.0%増の1,233百万円といずれも会社計画(売上高8,900百万円、営業利益1,150百万円)を上回り、過去最高業績を更新した。主力2事業がそろって2ケタ増収増益となり、業績のけん引役となった。営業イノベーション事業では企業のIT投資拡大を追い風に、「eセールスマネージャー」がクラウド型を中心に前期比2ケタ増収と高成長をキープしたほか、フィールドマーケティング事業も新規顧客開拓に注力したことで、スポット案件の受注が増加した。

2. 2019年12月期業績見通し
2019年12月期の連結業績は、売上高が前期比8.1%増の9,930百万円、営業利益が同7.0%増の1,320百万円と1年前に発表した中期経営計画の数値を据え置いた格好となっている。ただ、足元の受注状況は主力2事業ともに前期からの流れを引き継いで順調に推移しており、計画を上回る可能性は高いと弊社では見ている。一方で、同社は現在、既存事業をフロー型からストック型のビジネスモデルへ転換していくための構造改革フェーズと位置付けており、将来の成長に向けた投資(開発投資や人材投資等)に積極的に振り向けていく方針を示している。

3. 成長戦略
2020年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画では、既存事業の成長により年率12%の売上成長を見込んでおり、成長フェーズに移行する2021年度以降は年率20?30%成長に加速していく見通しとなっている。年率20%成長で試算すると、2023年12月期時点で売上高は200億円に達することになる。営業イノベーション事業では「eセールスマネージャー」の機能拡充だけでなく、今までアプローチしきれていなかった中堅・中小企業向けをターゲットとしたセルフサーブ型※の「eセールスマネージャーRemix MS」を拡販していくほか、特定業種(金融・製薬等)向けにカスタマイズした製品の横展開を図っていく。営業支援システムの企業への導入率はまだ14%程度と低く、今後も新規顧客の開拓による成長余地は大きいと言える。一方、フィールドマーケティング事業では、全国に張り巡らされた主婦層を中心とした約9万人のフィールドサポートスタッフを基盤に、消費財メーカーのアウトソーシング需要を取り込んでいくほか、BtoB企業におけるフィールド(営業)分野の開拓にも注力していく方針となっている。既に、ホテル・旅館や車両関連事業所への機器メンテナンスなどの営業代行案件がスタートしている。また、消費者が店舗で受け取るレシートを購買理由付きで収集・データベース化し、企業に販売する「Point of BuyR」サービスも注目される。2020年には月間収集データ数で300万枚と国内最大級となるデータベースの構築を目指しており、これが実現すれば同事業の売上拡大につながると思われ、今後の動向が注目される。

※顧客自身で、自社にフィットしたインプットやアウトプットの設定変更や、データのアップロード等が簡単に行えるシステムのこと。同社は、顧客アンケート結果をもとに自動的に業務にフィットしたシステム環境を用意するプログラムで特許を取得している。


■Key Points
・「eセールスマネージャー」が総合満足度No.1の評価を獲得、国産ベンダーでトップシェア
・2019年12月期業績は中期経営計画の数値を据え置くも増額余地あり
・フロー型からストック型へ収益モデルの軸足を移し、2021年以降成長スピードが一段と加速

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

 提供:フィスコ

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