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【市況】一先ず目の前の混乱は避けられ買い戻しによる需給が下支え/オープニングコメント

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 15日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続こう。14日の米国市場はまちまちの展開。中国の2月鉱工業生産が予想を下振れ、世界経済減速への懸念からもみ合う展開となった。また、貿易摩擦を巡る米中首脳会談の開催が4月以降に延期されたほか、英議会でEU離脱期限延長案が可決されたことで、今後の展開を見極めたいとの模様眺めムードも強まっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円高の21170円。円相場は1ドル111円60銭台と、やや円安に振れて推移している。

 英議会でEU離脱期限延長案が賛成多数で可決しており、一先ず目の前の混乱は避けられた格好であるが、離脱延期を承認するかどうか来週21日からの欧州理事会で協議を見守りたいところであり、積極的にはポジションは取りづらいところであろう。ただし、6月末まで伸びるようだと、売り方にとってはポジションを縮小しておきたいところであり、買い戻しによる需給が下支えになりそうだ。

 一方で、日経平均に加わるオムロン<6645>が大引けでパッシブ連動資金による買い需要が発生する。発表後の荒い値動きを見る限りでは既に組み込まれている状況ではあろうが、組み入れに対して除外のパイオニア売却では資金不足のため、他の銘柄を幅広く売る必要があるため、これが指数の上値を抑える要因になる可能性はありそうだ。もっとも、こちらも既に対応済みであれば、売り方の買い戻しの需給による下支え効果が大きくなりそうである。

 ただし、これまでも述べているが、VIX先物のショートポジションが引き続き積み上がっている状況であり、これを危惧する声も聞かれている。ショートポジションの積み上がりがVIX指数の買い戻しによる急騰に向かい、これが株式市場への売り圧力につながるとの見方である。株式市場ではロングポジションに傾きづらい状況が続こう。

 物色については、インデックスに絡んだリバランスが中心となるほか、期末要因による買い戻しや自社株買いといった実需に限られよう。個人主体の中小型株については、一部の流動性の大きい低位株に短期資金が集中しやすい他、シコリのないIPO銘柄での循環物色といったところか。
《AK》

 提供:フィスコ

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