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【特集】インテリックス Research Memo(4):2019年5月期第2四半期累計業績は2ケタ減収減益に

インテリクス <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績動向

1. 2019年5月期第2四半期累計業績の概要
2019年1月11日付で発表されたインテリックス<8940>の2019年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比24.9%減の16,682百万円、営業利益が同45.9%減の369百万円、経常利益が同61.5%減の199百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同64.4%減の117百万円と2ケタ減収減益となった。また、期初会社計画に対しても売上高で11.1%、営業利益で28.0%下回って着地した。リノヴェックスマンション事業において収益性を重視した仕入活動を前期から継続して行ったことで首都圏だけでなく地方店でも在庫水準が低くなり、売上高で前年同期比27.4%減の13,714百万円(計画比15.8%減)と2ケタ減収となったことが主因だ。

売上総利益率は前年同期の12.2%から14.4%に上昇した。リノヴェックスマンション販売の売上総利益率が長期滞留物件の一掃により前年同期の10.8%から12.3%に上昇したほか、その他不動産事業も物件販売を中心に同18.4%から22.2%に上昇したことが要因である。販管費は前年同期並みの水準に抑制したものの、売上総利益の減少がそのまま営業利益の減少につながった。


リノヴェックスマンションは首都圏の落ち込みが続くものの、地方店の仕入件数は増加に転じる
2. 事業セグメント別動向
(1) 中古マンション再生流通事業(リノヴェックスマンション事業)
中古マンション再生流通事業の売上高は前年同期比27.3%減の13,817百万円、営業利益は同43.8%減の353百万円と減収減益となった。また、売上総利益は同16.9%減の1,761百万円となり、売上総利益率は前年同期の11.2%から12.8%に改善している。売上高の内訳を見ると、リノヴェックスマンションの物件販売で同27.4%減の13,714百万円、マンションの賃貸収入で同3.1%増の91百万円、その他収入で同53.6%減の11百万円となった。

リノヴェックスマンションの販売件数は前年同期比28.4%減の565件となった。エリア別の販売件数を見ると、競争激化の影響で首都圏が同27.5%減の303件と減少傾向が続いたほか、今まで拡大を続けていた地方店も同29.4%減の262件となり、新規開設した広島店を除くすべての地方店で減少した。地方店では首都圏と比較して競争は激しくないものの、低下傾向が続いていた売上総利益率の改善を図るために、前期は仕入よりも販売に注力した結果、手持ち在庫が減少したことが販売減につながった。

一方、仕入件数は前年同期比2.4%減の610件と小幅な減少にとどまった。エリア別で見ると、首都圏が同18.4%減の270件と2ケタ減少となったが、地方店は同15.6%増の340件と増加に転じている。首都圏については市況に過熱感があるなかで、引き続き収益性を重視した仕入を行っていることが減少要因となっている。一方、地方店では2019年5月期に入って仕入活動も積極化している効果が出ており、特に名古屋、仙台に関しては2ケタ増となった。地方店に関しては仕入件数が販売件数を上回っていることから、2019年5月期下期以降は販売件数も増加に転じるものと予想される。

リノヴェックスマンション販売の売上総利益率は前年同期の10.8%から12.3%となり、同社のターゲットとする適正水準まで回復している。2014年5月期以降、販売期間の長期化とともに低下傾向を続けてきたが、前期に長期滞留物件を一掃したことや販売期間が78日と前期比で1日短縮したことが要因と見られる。エリア別では地方店での改善が大きく寄与したようで、売上総利益率は首都圏を上回る水準となったようだ。

(2) その他不動産事業
その他不動産事業の売上高は前年同期比10.8%減の2,865百万円、営業利益は同3.2%減の294百万円となった。また、売上総利益は賃貸収入や「モンタン博多」のホテル運営収益の増加により、同7.3%増の635百万円と増益となっている。営業減益となっているのは、売上構成比が前年同期の14.5%から17.2%に上昇したことによるセグメント配分費用(全社共通費用)の増加が要因となっている。

売上高の内訳を見ると、物件販売については前年同期比25.2%減の1,675百万円となった。このうち「アセットシェアリング」シリーズは、「アセットシェアリング北千住駅前」(新築ビジネスホテル)、「アセットシェアリング京町家再生I」(中古宿泊施設)の販売により同35.5%減の431百万円となり、その他不動産販売で同20.9%減の1,243百万円となった。また、その他不動産による賃貸収入は、リースバック物件の増加もあり同19.8%増の362百万円に、その他収入はリノベーション内装工事が横這いだったものの、「モンタン博多」のホテル運営収益やリースバック物件の契約手数料収入の増加等により、同23.6%増の827百万円とそれぞれ増収となり、売上総利益の増加要因となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

 提供:フィスコ

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