【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井海洋、アンジェス、ヤマハ
三井海洋 <日足> 「株探」多機能チャートより
三井海洋開発 <6269> が続急騰。5日大引け後に発表した18年12月期の連結経常利益が前の期比18.3%増の287億円と、従来予想の220億円を大幅に上回って着地したことが買い材料視された。FPSO(浮体式石油生産設備)の建造工事が順調に進捗したことに加え、オペレーションサービスの採算改善や販管費が想定を下回ったことが上振れの要因となった。また、リース事業を行う関連会社の業績が好調だったことも利益を押し上げた。併せて発表した19年12月期の経常利益は前期比37.5%減の180億円に落ち込む見通しとなった。
■アンジェス <4563> 555円 +80 円 (+16.8%) ストップ高 本日終値
アンジェス<4563>は突発人気化しストップ高。再生細胞薬の治験不調で暴落していたサンバイオ<4592>が下げ止まり、リバウンド局面に転じていることからバイオ関連株全般にも物色の矛先が向いている。そのなか同社は、「承認申請中の遺伝子治療薬『コラテジェン』が今月中にも承認されるとの観測が浮上、これが株価上昇を後押ししているようだ」(準大手証券ストラテジスト)としていた。もっとも「現時点では思惑先行で短期値幅取り狙いの資金が群がっている状況で、単発的な上昇で終わる可能性もある」(同)という。
■三菱ロジスネクスト <7105> 1,356円 +160 円 (+13.4%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
三菱ロジスネクスト<7105>が後場一段高。午後1時30分ごろに発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算が、売上高3302億4400万円(前年同期比5.1%増)、営業利益88億8100万円(同96.4%増)、純利益50億4700万円(同10.2倍)と大幅増益となったことが好感された。国内フォークリフト販売台数が伸長したほか、アジア、米州、欧州、中国の全域で販売を伸ばしたことが業績向上を牽引した。一方で、資材費高騰などの影響があったものの、国内販売価格の改善なども寄与し利益を押し上げた。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高4350億円(前期比0.4%増)、営業利益125億円(同34.7%増)、純利益60億円(同2.0倍)の従来見通しを据え置いている。
■ヤマハ <7951> 5,470円 +615 円 (+12.7%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
ヤマハ<7951>は急騰。5日の取引終了後に発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算が、売上高3338億9900万円(前年同期比1.6%増)、営業利益480億8800万円(同16.0%増)、純利益367億2400万円(同25.9%減)と2ケタ営業増益となったことが好感された。アコースティックピアノは中国向け2ケタ成長が継続したほか、北米などでの販売も好調に推移。デジタルピアノと管楽器は海外の全地域で売り上げを伸ばしたほか、中国・北米向けギターも伸長し、これら楽器事業が業績を牽引した。なお、前年同期にヤマハ発動機<7272>株式の一部売却による投資有価証券売却益を計上した反動で純利益は減益となった。同時に発表した19年3月期通期業績予想は、部品・装置事業の減収見通しにより売上高を4420億円から4400億円(前期比1.6%増)へ下方修正したが、営業利益は550億円(同12.6%増)、純利益は400億円(同26.4%減)の従来見通しを据え置いている。また、500万株(発行済み株数の2.75%)、または200億円を上限とする自社株買いを実施するとあわせて発表しており、これも好材料視されているようだ。取得期間は2月6日から7月31日までで、株主還元と資本効率の向上を図ることを目的としている。
■森永乳業 <2264> 3,435円 +315 円 (+10.1%) 本日終値
森永乳業<2264>は急伸。午後2時ごろに発表した第3四半期累計(18年4~12月)連結決算が、売上高4565億7100万円(前年同期比1.2%減)、営業利益209億700万円(同4.4%減)、純利益136億2400万円(同19.7%減)となり、通期計画の営業利益203億円を上回ったことが好感された。ヨーグルトやチーズなどが増収となった一方、アイスクリームの取引制度の影響に加えて、牛乳類や乳飲料などが前年実績を下回った。また、原材料価格の上昇も利益を圧迫した。なお、19年3月期通期業績予想は、売上高5820億円(前期比1.7%減)、営業利益203億円(同6.4%減)、純利益122億円(同22.7%減)の従来見通しを据え置いている。
■グンゼ <3002> 5,110円 +285 円 (+5.9%) 本日終値
5日に発表した「医療器具の販売を手掛けるメディカルユーアンドエイの全株式を取得し子会社化する」が買い材料。
■協和発酵キリン <4151> 2,235円 +124 円 (+5.9%) 本日終値
協和発酵キリン <4151> が急反発。5日大引け後、連結子会社の協和発酵バイオの株式95%をキリンホールディングス <2503> へ売却すると発表したことが買い材料視された。協和発酵バイオの株式を売却し、新薬開発を中心とした医薬事業に経営資源を集中する。株式売却額は約1280億円の見込み。株式売却益の発生を踏まえ、19年12月期の連結最終利益は前期比25.0%増の680億円に伸びる見通し。併せて、今期の年間配当は前期比5円増の40円に増配する方針としたことも評価材料となった。また、発行済み株式数(自社株を除く)の1.95%にあたる1070万株(金額で270億円)を上限に、2月6日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことも支援材料となった。取得した全株と自己株2578万3555株を2月19日付で消却することも明らかにしている。
■日信工業 <7230> 1,566円 +83 円 (+5.6%) 本日終値
5日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)税引き前が黒字浮上で着地・10-12月期も黒字浮上」が好感された。
日信工業 <7230> が2月5日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。19年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前損益は120億円の黒字(前年同期は37.3億円の赤字)に浮上し、通期計画の150億円に対する進捗率は80.4%に達したものの、4年平均の88.3%を下回った。
⇒⇒日信工業の詳しい業績推移表を見る
■トーセイ <8923> 1,071円 +55 円 (+5.4%) 本日終値
5日、トーセイ <8923> が発行済み株式数(自社株を除く)の2.5%にあたる120万株(金額で10億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月7日から8月31日まで。
■フューチャー <4722> 1,679円 +80 円 (+5.0%) 本日終値
フューチャー<4722>が5連騰。きょう付けの日本経済新聞朝刊で、「2018年12月期の連結営業利益は、前の期比28%増の57億円程度と3年ぶりの最高益だったようだ」と報じられており、会社側の従来予想である51億7000万円を上回ったとの観測を好材料視した買いが入った。記事によると、金融機関向けの融資関連サービスや小売業向けのスマートフォンアプリなどが伸びたことにくわえて、子会社の収益管理の手法を共通化したことで採算も改善したという。なお、決算発表は6日の予定だ。
株探ニュース