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【市況】1日の香港市場概況:ハンセン0.04%安で3日ぶり反落、中国証券セクターは急伸

上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより

1日の香港マーケットはまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比11.73ポイント(0.04%)安の27930.74ポイントと3日ぶりに反落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は28.21ポイント(0.26%)高の11063.94ポイントと3日続伸した。売買代金は910億1200万香港ドルにやや縮小している(1月31日は1131億5400万香港ドル)。

大型連休を前に、買いが手控えられる流れ。春節(旧正月)により香港マーケットは来週、2月4日(後場)~7日(終日)が休場となる(本土市場は4~8日休場)。ハンセン指数が約4カ月ぶりの高値水準を回復するなか、利食いの売り圧力も意識された。もっとも、大きく売り込む動きはみられない。米中貿易摩擦の緩和期待が強まった。1月31日(米時間)に終了した閣僚級の米中通商協議に関し、中国国営メディアの新華社は2月1日、「中国の貿易代表団は、協議には重要な進展があったと表明した」と伝えた。また、米紙は31日、「中国代表団は米中首脳会談の2月開催を提案した」と報じている。協議の終了後、劉鶴副首相はトランプ米大統領と会談。トランプ氏は「習近平国家主席との首脳会談で最終合意を交わす」とする方針を示した。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産事業を中核とするコングロマリットの太古A(スワイヤ・パシフィックA:19/HK)が1.8%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.7%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が1.6%安と下げが目立った。

業種別では、香港と中国の不動産がさえない。上記した太古Aのほか、長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)が1.5%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が1.4%、万科企業(2202/HK)が2.5%、中国金茂HD(817/HK)が1.3%、中国海外発展(688/HK)が1.0%ずつ値を下げた。

半面、中国証券セクターは高い。中信証券(6030/HK)が5.0%、広発証券(1776/HK)が4.1%、中国銀河証券(6881/HK)が4.0%、華泰証券(6886/HK)が3.7%、海通証券(6837/HK)が3.4%ずつ値を上げた。市場活性化の期待が強まる展開。中国証券監督管理委員会は1月31日、◆株式やETFなど「権益類証券」への投資に関するリスク資本準備の算出基準を緩和すること、◆信用取引制度で強制決済の基準となる担保比率を(証券会社が)自由に設定できること、◆域外の機関投資家に対し、参入条件や投資範囲に関する規制を緩和すること??など株式市場の改革案をまとめて公開した。

他の個別株動向では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が5.7%、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.0%ずつ上昇し、ハンセン指数構成銘柄の値上がり率上位に並んだ。両社は米国の売り上げ規模が大きいだけに、米中協議の進展が買い安心感を誘っている。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.30%高の2618.23ポイントで取引を終えた。証券株が高い。医薬品株やハイテク株、消費関連株、空運・紙パルプ株、インフラ関連株、素材株、自動車株、不動産株など幅広く物色された。

【亜州IR】

《FA》

 提供:フィスコ

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