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【特集】シュッピン Research Memo(2):増収減益で着地。新製品発売を控えた買い控えでカメラ事業が伸び悩み

シュッピン <日足> 「株探」多機能チャートより

■業績の動向

1. 2019年3月期第2四半期決算の概要
シュッピン<3179>の2019年3月期第2四半期決算は、売上高16,362百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益682百万円(同7.4%減)、経常利益679百万円(同7.0%減)、四半期純利益462百万円(同8.1%減)と増収減益で着地した。

売上高はほぼ期初予想どおりとなったが、営業利益は期初予想に対して16.2%(131百万円)の未達となった。

売上高は前年同期比13.4%(1,927百万円)増となった。主力のカメラが同9.6%(976百万円)増にとどまったが時計が同25.3%(965百万円)増と伸びて15%近い伸びを達成した。売上総利益率は同10.6%(256百万円)の増益にとどまった。売上総利益率が前年同期の16.8%から2019年3月期第2四半期は16.3%に若干低下したことが響いた。売上総利益率の低下は、利益率の高いカメラの売上が伸び悩む一方、カメラよりも利益率の低い時計が売上を伸ばしたことによる売上高構成比率の変化と、商品ラインナップを増やし、新規顧客を増やすためセールを強化したことが要因だ。

販管費は前年同期比18.5%(310百万円)増加し、売上高販管費率も前年同期の11.7%から2019年3月期第2四半期は12.2%に上昇した。カメラの販売刺激策としてポイント付与や割引クーポンの配布を積極化したことで販促費が拡大したことが主な要因だ。これらの結果営業利益は前年同期比7.4%(54百万円)減の682百万円となった。

第2四半期(7月-9月期)に入り、一眼レフ市場を二分してきたニコン<7731>とキヤノン<7751>がそろって、ミラーレス一眼の新型機を2018年秋に発売することを発表したため一眼レフカメラの買い控えが起こり、カメラの新品売上高は伸び悩んだ。同社はカメラの中古品の販売量確保に注力し、カメラ中古品は計画どおりの販売を行った。結果的にカメラ全体の売上高は前年同期比では増収を確保したものの、計画に対しては下回った。この分を時計の売上拡大で補い、全社売上高は期初予想の線で着地した。

一方利益面では、カメラ新品における買い控えの影響をカメラ中古の販売で補うべく、販売促進策を積極化した。具体的にはポイントの付与や、購入時に金券として利用できるクーポンの配布を積極的に行った。これにより、カメラ事業の営業利益が低下し、前年同期比では増益を確保したものの計画に対しては未達となった。一方時計は、売上高は計画を上回ってカメラの未達分をカバーしたが、利益については計画線で着地した。カメラ同様、販売促進費が利益の伸びを抑えた。結果的にカメラの未達分が全社ベースの未達分として残った形となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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