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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~下値の堅さが窺われるが上値も追いにくい

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

20日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、下値の堅さが窺われるが上値も追いにくい
・ドル・円は底堅い、国内勢は押し目買い
・値下がり寄与トップは、ソフトバンクG<9984>、同2位はファナック<6954>


■日経平均は反落、下値の堅さが窺われるが上値も追いにくい

日経平均は反落。187.52円安の21633.64円(出来高概算7億2000万株)で前場の取引を終えている。

週明け19日の米株式市場ではNYダウが395ドル安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は大幅続落した。フェイスブックやアップルといった主要ハイテク企業にネガティブな報道が相次ぎ、11月全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数が大きく落ち込んだことも嫌気された。米長期金利の低下とともに円相場は1ドル=112円台半ばまで上昇し、本日の日経平均は米株安や円高を嫌気して238円安からスタートした。朝方には21526.95円(294.21円安)まで下落する場面もあったが、下値では押し目買いが入り下げ渋った。

個別では、日産自<7201>が売買代金トップとなり、4%超安で前場を折り返した。カルロス・ゴーン会長が金融商品取引法違反容疑で逮捕され、一時6%を超える下落となった。同様に三菱自<7211>も急落。前日に反発した任天堂<7974>やソフトバンクG<9984>だが、本日は買いが続かず軟調な展開だった。その他売買代金上位ではソニー<6758>、村田製<6981>、ファナック<6954>などがさえない。また、株式の売出しを実施する長谷川香<4958>、新株予約権付社債(CB)を発行するコスモエネHD<5021>、業績上方修正で材料出尽くし感が広がったヤーマン<6630>が東証1部下落率上位に顔を出した。一方、レーティング引き上げ観測のトヨタ自<7203>が堅調で、三井住友<8316>や東海カーボ<5301>も小じっかり。米チョコ会社の買収を発表した不二製油G<2607>は5%高。また、MDV<3902>などが東証1部上昇率上位に顔を出した。セクターでは、その他製品、鉱業、電気機器などが下落率上位。半面、電気・ガス業、陸運業、海運業が上昇率上位だった。

米ハイテク株安を嫌気して日経平均は大幅反落してスタートしたが、寄り付き後は下げ渋る展開となった。下値のサポートとして意識される予想PER12倍の水準はおよそ21360円で、これに迫る21500円近辺では押し目買いが入り下値の堅さを見せる。足元では米国の利上げペースが鈍化するとの思惑から円相場がやや強含みとなっているが、企業の下期想定為替レートは1ドル=108円程度とみられ、実勢レートはなお追い風となる水準だ。

とはいえ、米中対立など外部環境の不透明要因が多いなかでは積極的に上値を追いにくい。本日は目立った材料がなかったものの、今月末の20カ国・地域(G20)首脳会議までは海外情勢に一喜一憂する展開が続きそうだ。また今週末には3連休が控えており、模様眺めムードが強まりやすいだろう。前日に堅調ぶりが目立ったマザーズ指数も本日は反落している。12月のIPO(新規株式公開)ラッシュに向けて換金売り圧力が強まりやすく、こちらも目先は上値の重い展開となる可能性がある。


■ドル・円は底堅い、国内勢は押し目買い

20日午前の東京市場でドル・円は底堅い。日本株安を手がかりとした円買いが先行したものの、国内勢の買戻しでドルは小幅に値を上げた。

日産自動車のゴーン会長逮捕などの影響を受け日経平均株価の大幅安となり、ドル・円は午前中に112円40銭台まで弱含んだ。その後は日本株の下げ幅縮小で円買いは弱まり、ドルは112円60銭台に値を切り上げた。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が米中の通商摩擦激化で初めて首脳宣言の採択を断念する事態となり、今後の世界経済の減速への懸念から円買いに振れやすい地合いとなった。

ランチタイムの日経平均先物は軟調地合いで、引き続き日本株安を警戒した円買いに振れやすい。上海総合指数のマイナス圏推移も円買いを支援しよう。ただ、ドルは下値の堅さが意識され、下げは限定的となりそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は112円40銭から112円66銭、ユーロ・円は128円79銭から128円97銭、ユーロ・ドルは1.1442ドルから1.1458ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

・インサイト<2172>や、ジャストプランニング<4287>など、6銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップは、ソフトバンクG<9984>、同2位はファナック<6954>

■経済指標・要人発言


【要人発言】

・豪準備銀議事要旨

「短期的に政策金利変更の根拠はない」

「次の金融政策の変更は恐らく利上げ」

「金利の据え置きは安定と信頼の源との認識で一致」

「所得の弱い伸びと高水準の債務の影響に対し注視」

「2018年の豪ドルの下落は豪経済の支援材料」

「景気は底堅く、2018年と2019年の成長率は3.5%超」

「通商摩擦による貿易相手国へのネガティブな影響は限定的」

「平均賃金は6年間上昇しておらず、先行き不透明感は残る」


<国内>
・特になし

<海外>
・特になし

《HH》

 提供:フィスコ

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