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【経済】NYの視点:今週の注目:米Q3GDP、べージュブック、ECB定例理事会など


短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から減少した。ユーロの売り持ち高は前々週から増加し、昨年3月来で最大となった。

今週は欧州中央銀行(ECB)の定例理事会、米7-9月期国内総生産(GDP)、米連邦準備制度理事会(FRB)が発表するベージュブック(地区連銀経済報告)に注目。米国の金利動向を探る。

また、米商務省は7-9月期国内総生産(GDP)速報値を発表。前期比年率+3.3%と、4-6月期+4.2%から伸びが若干鈍化する見込み。ただ、4-6月期では2015年以降3年ぶりの高い伸びが期待されている。また、9月前渡商品貿易収支で赤字はおそらく過去6カ月で最大水準を保つと予想されている。

米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した9月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、多くのメンバーが、インフレの高騰を回避するため、一時的に中立水準以上まで利上げを継続する必要があると考えていることが明らかになり、更なる追加利上げの方針が確認された。ベージュブック(地区連銀経済報告)は次回11月会合の材料となる。9月に本年3回目の利上げを実施したのち、11月FOMCでは金利据え置きが予想されている。金利先物市場では、12月に本年4回目の利上げを実施することが80%織り込まれた。ベージュブックで、全米の経済がき続き強いことが確認されると、12月の利上げをより正当化させる。

リスクとしては、米国とサウジアラビアとの関係の行方に焦点が集まる。サウジアラビアのジャーナリスト失踪事件を巡る疑惑で、経済的・政治的に特に関係が深いサウジアラビアへのトランプ政権の対応に注目される。国際的な非難が高まる中、サウジアラビアは「砂漠のダボス」会合を開催する。

引き続き、イタリア財政や英国のEU離脱の行方にも注目。欧州連合(EU)やイタリア政府は市場安定に努めた。EUのモスコビシ委員やイタリアのディマイオ副首相は、イタリア政府が債務を返済し、ユーロやEUに留まることを公約すると表明。イタリアは2019年度の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)比で従来の2.4%から2.1%に引き下げる可能性があると報じられている。ドラギECB総裁がEU規律にチャレンジする諸国をリスクと警告したほか、格下げ懸念などに投資家はイタリア資産の売却を進めた。イタリア10年債利回りは一時2014年来の高水準に達した。

アイルランド国境問題で行き詰まっていた離脱条件に関する英国とEUの協議でも、メイ首相が合意成立を目指して、英国の要求を取り下げる可能性が報じられた。

欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で、年内に資産購入プログラムを終了する計画を確認し、過去最低水準の政策金利を2019年夏までに引き上げる方針を繰り返す可能性が強い。ドラギ総裁は議会で、域内の景気に楽観的な見通しを示していることから、ユーロが下げ止まる可能性がある。

■今週の主な注目イベント

●23-25日:サウジアラビアで「将来の投資イニシアティブ」、「砂漠のダボス」開催

●米国
20日:ボスティック米アトランタ連銀総裁が討論会に参加
23日:カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁がイベントで講演、
エバンス・シカゴ連銀総裁が講演
24日:米連邦準備制度理事会(FRB)が地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表、

ボスティック米アトランタ連銀総裁がエネルギーサミットに参加、
ブラード・セントルイス連銀総裁が講演、
メスター・クリーブランド連銀総裁が講演、

25日:メスター・クリーブランド連銀総裁が講演、
9月前渡商品貿易収支:予想‐750憶ドル(8月?755憶ドル)易赤字はおそらく過去6カ月で最大水準

26日:7-9月期国内総生産(GDP):予想前期比年率+3.3%(4-6月期+4.2%)

●欧州

24日:トゥスクEU大統領、ユンケル欧州委委員長がEUサミットの結論提示
25日:欧州中央銀行(ECB)定例理事会、ドラギECB総裁会見
26日:ドラギECB総裁講演

●英国
23日:カーニー英国中央銀行総裁が講演

●26日:日中首脳会談


●地政学的リスク

トルコ:
北朝鮮:
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン

《CS》

 提供:フィスコ

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