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【特集】クリレスHD Research Memo(1):業態変更等への戦略的投資が利益を圧迫するも想定どおりの進捗

クリレスHD <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、ショッピングセンター内のレストラン及びフードコートの運営を主力とするとともに、M&Aにより獲得した居酒屋業態や飲食店業態も展開している。集客力の高い立地へのこだわりとそれぞれの立地環境(地域特性や顧客属性、競合状況等)に見合った業態の組み合わせによるマルチブランド・マルチロケーション戦略に特徴があり、それが同社の主力事業を支えてきた。現在の店舗数は約200業態で908店舗※1となっている(2018年8月末現在)。また、ここ数年においては、駅前好立地での24時間営業により人気業態となっている海鮮居酒屋業態「磯丸水産」※2など、積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」※3を推進しており、同社は新たな成長フェーズに入っている。

※1 業務委託店舗、FC店舗のすべてを含む(以下、同様)
※2 2013年4月に買収したSFPホールディングス<3198>が展開している。
※3 同社が推進しているグループ経営のことで、ホールディングスの「求心力」と各グループ事業会社の「遠心力」のバランスを取りながら成長を促進するものである。


2019年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比2.1%増の60,594百万円、営業利益が同22.4%減の2,868百万円と増収ながら戦略的投資等の影響により減益となった。ただ、通期計画に対しては順調に進捗している。前期出店分が期初から寄与したことや新規出店53店舗(M&Aを含む)が増収要因となったほか、積極的な業態変更(28店舗)が業績の底上げに貢献した。定性面でも、M&Aによる商業施設内店舗の取得や「東京ミッドタウン日比谷」のフードホール一括運営受託、地方都市への進出に向けた足がかり(SFPカテゴリー)などに実績を残したと言える。ただ、増収率がやや緩やかな水準にとどまったのは、前期に引き続き、新規出店ペースを政策的に抑え、業態変更等による既存店の強化に取り組んだことが理由であり、その点は想定内と言える。一方、既存店売上高については、天災・天候不順の影響等により前年比96.0%(計画比▲0.7%)と若干計画を下回った。利益面では、原価・人件費のコントロールが奏功したことにより原価率が改善、人件費も上昇はしたものの、ほぼ想定通りに推移。ただ、業態変更に伴う開業経費の増加等により減益となり、営業利益率も4.7%(前年同期は6.2%)に低下した。

同社は、今期(2019年2月期)第4四半期よりIFRS(国際財務報告基準)へ移行する予定であることから、通期業績予想についてはIFRS基準で公表している。2019年2月期の業績予想(IFRS基準)として、売上収益を125,000百万円、営業利益を7,600百万円と見込んでおり、期初予想からの変更はない。前期(日本基準)との単純比較はできないが、巡航ペースでの業績の伸びが継続するものと捉えて良いだろう。前期出店分の通年寄与及び今期出店分(68店舗を計画)などが増収に寄与する見通しであり、既存店売上高は前期比98.1%を想定している。新規出店の内訳として、CRカテゴリー23店舗、SFP カテゴリー20店舗、専門ブランドカテゴリー18店舗、海外7店舗を計画している。

同社は、IFRS基準による3ヶ年の中期経営計画(ローリングプラン)を推進。最終年度である2021年2月期の目標(M&Aを含まない)として、売上収益を145,000百万円、営業利益を9,300百万円と掲げている。積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」のもと、1)オーガニックな出店、2)M&A、3)更なる海外展開により、持続的な成長を目指す計画となっている。

弊社では、成長の軸を担う居酒屋業態の出店余地が十分にあることや、M&Aの環境が同社にとって追い風であること、海外事業もノウハウの蓄積や和食人気の後押しが期待できることなどから、中期経営計画の達成は可能と見ている。今後の注目点としては、既存店強化(業態変更を含む)の成果、新業態の立ち上がり、海外展開の進展、M&Aの実現に向けた動き、グループシナジーの創出などが挙げられる。

■Key Points
・2019年2月期上期の業績は増収ながら減益
・業態変更等への戦略的投資が利益を圧迫するも概ね想定どおりの進捗
・定性面でも、M&Aによる店舗取得や「東京ミッドタウン日比谷」のフードホール一括運営受託、地方都市への進出に向けた足がかり(SFPカテゴリー)などに実績
・今期(2019年2月期)の第4四半期よりIFRS基準(国際財務報告基準)に会計方針変更を予定
・引き続き、「グループ連邦経営」のもと、1)オーガニックな出店、2)M&A、3)海外展開により、持続的な成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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