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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、中国経済やブレグジットを注視

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

16日の欧米市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。引き続き長期金利や株価の動向にらみのなか、欧米株高観測からドルはやや持ち直す見通し。ただ、中国経済やブレグジットに関し思惑が交錯し、積極的なドル買い・円売りは手控えられそうだ。


前日の海外市場では、米国の長期金利が低下し、株価が下落に振れると調整のドル売りがみられ、その影響でクロス円が底堅く推移する前週の値動きが改めて示された。そのためドル・円は下値の堅さが意識されている。また、ユーロ・ドルが上値抵抗線とみられる1.16ドル付近で跳ね返される値動きも、ドル・円をある程度サポート。目先も長期金利や株価の先行き不透明感が続けば、ドルは売られやすい地合いとなりそうだ。

こうしたなか、本日は中国の底堅いインフレ指標を受け、中国景気の先行き懸念がやや後退し、日本株の反発につながった。9月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%と予想通り伸びを拡大し、上昇トレンドを維持。反面、同生産者物価指数(PPI)は3カ月連続でびが鈍化するなど、内需がやや弱まっていることも示した。米国との通商摩擦が続くなか、中国経済に関しては19日の7-9月期の国内総生産(GDP)を見極めるムードが広がる。

一方、17-18日の欧州理事会でのブレグジットに関する大詰めの協議が注目され、今晩は積極的に動きづらい展開となろう。前週末に行われたラーブ英担当相とバルニエ欧州連合(EU)交渉官との会談ではアイルランド国境の取り扱いで合意できず、調整は難航しているもよう。理事会では「最大限の進展」が期待されているものの、不透明感から積極的な売り買いは避けられるだろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・6-8月ILO失業率(予想:4.0%、5-7月:4.0%)
・18:00 独・10月ZEW期待指数(予想:-12.0、9月:-10.6)
・18:00 ユーロ圏・8月貿易収支(7月:+176億ユーロ)
・22:15 米・9月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、8月:+0.4%)
・22:15 米・9月設備稼働率(予想:78.2%、8月:78.1%)
・23:00 米・8月JOLT求人件数(予想:690.0万件、7月:693.9万件)
・23:00 米・10月NAHB住宅市場指数(予想:66、9月:67)
・05:00 米・8月対米証券投資収支(7月:ネット長期有価証券+748億ドル)
・05:15 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演(ウェルズリー大学)

《FA》

 提供:フィスコ

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