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【市況】S&P500 月例レポート ― アノマリーを破り再び過去最高値を更新 (3) ―


●トランプ大統領と政府高官

・米議会は2019会計年度(2018年10月1日開始)の暫定予算案(2018年12月7日まで)を可決し、トランプ大統領に送付しました。この暫定予算案によって政府の歳出は12月7日まで賄われますが、議会は(今年も)この問題に再び対応を迫られることになります。

・トランプ大統領はニューヨークの国連本部で演説を行い、持論である「アメリカ・ファースト」を主張しましたが、あまり多くの共感を得ることはできませんでした。

・大統領と安倍首相は貿易協議を開始することで合意しました。主な議題は自動車販売と関税です。

・米上院司法委員会は、連邦最高裁判事候補に指名されたブレット・カバノー氏の人事承認のため、記録および司法哲学に関する公聴会を開催しました。同氏の政治的見解が焦点となる中、性的に不適切な行為をめぐる疑惑が浮上しました。

●貿易

・米国とカナダによるNAFTA再交渉(米国とメキシコは8月に合意)は、9月30日の合意期限(米国議会への通知。12月1日にはメキシコ大統領が退陣。カナダでは10月1日に地方選挙実施。米国では2019年1月3日に新議会が発足)が迫る中、協議が続きました。

・トランプ大統領は、2,000億ドル相当の中国製品に追加関税(既に発動済みの500億ドルに加え)を課すと発表しました。追加関税率は2018年9月24日から10%とし、2019年1月1日に25%に引き上げられます。トランプ大統領はさらに2,670億ドル相当の中国製品に追加関税を発動することも検討しています(2017年の中国からの輸入額は5,050億ドル)。中国も報復措置として600億ドル相当の米製品に対する関税を9月24日に適用しました。中国は貿易戦争に備えている模様で、その後(9月末に)、11月1日から一部関税を引き下げることを発表しました(交渉ではどのような印象を与えるかは重要です)。これと関連し、8月の中国の対米貿易黒字は過去最高の311億ドルとなりました。

●各国中央銀行の動き

・トルコ中央銀行はエルドアン大統領の利下げを求める発言を無視し、国内の経済問題と市場下落に対応するため、政策金利を17.75%から24%に引き上げました。

・ロシアの中央銀行は一連の利下げから一転、通貨防衛と米国の制裁措置をめぐる懸念増大のために、大半の予想に反して政策金利を7.25%から7.50%に引き上げました(2014年末の政策金利は17%)。

・欧州中央銀行は政策理事会を開催し、貿易問題への懸念を表明し、政策を据え置きました。

・米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、経済は成長し、企業に楽観論が広がっており、また、投入コスト上昇と貿易問題をめぐる懸念の兆候が見られています。

・連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開催され、予想通り、2015年以降8回目となる0.25%の利上げが実施されました。また、12月にもう1回利上げがあることが示唆されました(12月の追加利上げを予想するメンバーは16人中12人で、6月の8人から増加)。FOMCは、失業率が低水準にとどまる中、GDPの増加が続くと予想しています。特筆すべき点は、声明文の中で利上げのタイムスケジュールに言及した箇所から「緩和的」という文言が削除された一方、「緩やかに」という文言は残されたことです。

●利回り、金利、コモディティは引き続き活発な動き

・米国10年国債の利回りは8月の2.86%から上昇して3.06%で月を終えました(2017年末は2.41%、2016年末は2.45%)。

・英ポンドは8月末の1ポンド=1.2960ドルから1.3034ドルに上昇し(同1.3498ドル、同1.2345ドル)、ユーロは8月末の1ユーロ=1.1606ドルから横ばいでした(同1.2000ドル、同1.0520ドル)。円は8月末の1ドル=111.17円から113.69円に下落し(同112.68円、同117.00円)、人民元は8月末の1ドル=6.8313元から6.8690元に下落しました(同6.5030元、同6.9448元)。

・原油価格は7月末の1バレル=68.43ドル、8月末の69.92ドルから上昇し73.53ドルで月末を迎えました(同60.09ドル、同53.89ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は、8月末の1ガロン=2.906ドルから2.923ドルに上昇しました(同2.589ドル、同2.364ドル)。

・金価格は7月末の1トロイオンス=1,232.90ドル、8月末の1,205.30ドルから下落して1,195.10ドルで月を終えました(同1,305.00ドル、同1,152.00ドル)。

・VIX恐怖指数は7月の12.84、8月の12.86から低下して12.12で9月末を迎えました。月中の最高は15.63、最低は11.10でした(同11.05、同14.04)。

※「アノマリーを破り再び過去最高値を更新 (4) 」へ続く

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