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【通貨】ユーロ週間見通し:伸び悩みか、トルコリラの相場動向を注視へ

ユーロ円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■弱含み、米長期金利上昇を意識したユーロ売りも

先週のユーロ・ドルは弱含み。メイ英首相の保守党大会演説後も英国の欧州連合(EU)離脱への不透明感が払しょくできなかったことから、リスク回避的なユーロ売りが観測された。一方、好調な米経済指標などを受けて、米10年債利回りが7年ぶりの高水準に達し、米国とユーロ圏との金利差拡大を意識したユーロ売り・ドル買いも観測された。取引レンジ:1.1464ドル-1.1628ドル。

■もみ合いか、イタリア財政懸念緩和でユーロ売りは一服

今週のユーロ・ドルはもみ合いか。イタリア財政政策への懸念は多少緩和されており、リスク回避的なユーロ売りがさらに広がる可能性は低いとみられる。ただし、米9月消費者物価指数(CPI)など主要経済指標が市場予想を上回った場合、ユーロ買い・ドル売りの興味は低下すると予想される。

予想レンジ:1.1400ドル-1.1650ドル

■弱含み、イタリア財政赤字に対する市場の警戒感高まる

先週のユーロ・円は弱含み。イタリア政府が閣議決定した来年から3年間の経済財政計画で財政赤字目標は市場予想を上回ったことが懸念され、ユーロ売りが先行。その後、イタリア政府は2020年と2021年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)2.4%から引き下げる方針を表明したことから、ユーロ売りは一服した。しかしながら、米長期金利が一段と上昇したことを意識してユーロ売り・米ドル買いは再び優勢となり、この影響でユーロの対円レートは弱含みとなった。取引レンジ:130円60銭-132円46銭。

■伸び悩みか、トルコリラの相場動向を注視へ

今週のユーロ・円は伸び悩みか。イタリアの財政問題に対する警戒感はやや低下したが、ユーロ圏と経済のつながりの深いトルコはインフレ抑制策を近く発表するとみられている。内容次第ではリラ売りが再び強まり、この影響でユーロ売り・円買いが増える可能性は残されている。ユーロ圏と米国の金利差拡大の思惑は後退していないこともユーロの反発を抑制する一因となりそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・12日:8月鉱工業生産(前月比予想:+0.5%、7月:-0.8%)

予想レンジ:129円00銭-133円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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