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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの展開か、米国の株価や長期金利の動向注視

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

19日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想する。米中貿易摩擦への懸念は続くものの、交渉の余地を見込んだ円売りに振れやすい見通し。また、米国の株価が続伸し、長期金利が高水準で推移する状況に、ドル買い基調は続くとみられる。

米トランプ政権の貿易赤字是正に向けた強硬な通商政策に変わりはなく、中国に対して断続的に制裁を突き付けている。一方、中国側も報復措置で対抗し、両国の対立は激化。そうした状況に市場は悲観と楽観が交錯する。終わりの見えない両国の通商摩擦は世界経済の減速につながるとの観測から、警戒の円先高思惑は根強い。ただ、米国は第3弾の制裁に関して関税率の引き上げを当初は10%とし、来年以降は25%に引き上げる方針だが、閣僚級の協議も予定される。交渉の余地があるとの見方からやや楽観的なムードも広がり、足元では過度な懸念は後退しているようだ。

今晩も強い手がかり材料が乏しいなか、株価や長期金利の動向が注目される。米国株が続伸し、安全資産である米国債が売られ、米10年債利回りが3%を上回る高水準を維持すれば、ドル買いは継続する見通し。ドル・円は112円後半で売りオーダーが見込まれるが、節目の112円50銭を上抜けられれば、緩やかながら113円台を目指す展開となりそうだ。昨日と今日開催された日銀金融政策決定会合での緩和政策維持を背景とした円売りも、ドル・円を押し上げる要因となる。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・7月経常収支(6月:+235億ユーロ)
・17:30 英・8月消費者物価指数(前年比予想:+2.4%、7月:+2.5%)
・17:30 英・8月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.9%、7月:+3.1%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-1.8%)
・21:30 米・8月住宅着工件数(予想:123.8万戸、7月:116.8万戸)
・21:30 米・8月住宅建設許可件数(予想:131.0万戸、7月:130.3万戸)
・21:30 米・4-6月期経常収支(予想:-1034億ドル、1-3月期:-1241億ドル)
・22:00 ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁講演

《FA》

 提供:フィスコ

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