【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:ルネサス、加賀電子、サンバイオ
ルネサス <日足> 「株探」多機能チャートより
ルネサスエレクトロニクス<6723>が5日ぶりに反発している。午前10時ごろ、米半導体会社のインテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を完全子会社化すると正式に発表しており、これを好感した買いが入っている。今回の買収は、補完性が高い製品獲得によるソリューション提供力の強化や、データセンターや通信インフラ向けなどデータエコノミー関連分野における事業領域の拡大を図るのが狙い。買収金額は67億ドル(約7330億円)で、19年12月期上期中に買収を完了する予定という。株価は、1日に買収の最終交渉に入ったと報じられて以降、財務悪化懸念などから調整していたが、正式発表を機に業績への貢献など期待感が高まっているようだ。
■加賀電子 <8154> 2,231円 +125 円 (+5.9%) 11:30現在 東証1部 上昇率10位
加賀電子<8154>がカイ気配で始まり4日ぶり急反発、上値抵抗ラインとなっていた25日移動平均線を一気に上に抜けてきた。同社は独立系の半導体商社だが、電子機器の受注生産が好調で業績を伸ばしている。10日取引終了後に電子デバイス製品の開発・販売を手掛ける富士通セミコンダクター子会社の富士通エレクトロニクスの全株式を段階的に取得し子会社化することを発表(取得価額は205億円)、これを材料視する買いが流入している。
■サンバイオ <4592> 3,885円 +170 円 (+4.6%) 11:30現在
サンバイオ<4592>が大幅に3日続伸。10日取引終了後、同社が開発を進めている再生細胞薬「SB623」の普及準備に向けて、ケアネット<2150>、バイタルケーエスケー・ホールディングス<3151>、それにメディカルインキュベータジャパン(東京港区)、アステム(大分県大分市)の5社は資本業務提携すると発表。SB623は慢性期脳梗塞や認知症を適応症として開発が進められているが、再生細胞薬は医療機関や流通企業などにとって取り扱いに未経験事項が多い。このため、それぞれの分野で強みを持つ5社は再生細胞薬の適正使用や普及、安定流通に向け共同研究を発足することとした。この発表を受け、この日はサンバイオが急伸しているほか、ケアネットがストップ高カイ気配と急騰。バイタルKSKも一時新高値に買われた。
■オープンハウス <3288> 5,320円 +180 円 (+3.5%) 11:30現在
10日、オープンハウス <3288> が発行済み株式数(自社株を除く)の1.07%にあたる60万株(金額で30億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は9月11日から10月31日まで。
■クボタ <6326> 1,720円 +38 円 (+2.3%) 11:30現在
クボタ<6326>が続伸している。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「2018年12月期の増配を検討する」と報じられており、これを好材料視した買いが入っている。記事によると、水道管用樹脂パイプの値上げが進みつつあり、小型建機も欧米で好調であることから、株主への利益還元を増やすという。なお、同社では中間配当を前年同期の15円から16円へ1円増配している。
■キリンホールディングス <2503> 2,709.5円 +57 円 (+2.2%) 11:30現在
キリンホールディングス<2503>は6日ぶりに反発している。同社は11日、同社子会社でオセアニア飲料事業を担う「ライオン飲料」について、戦略的選択肢の検討を開始したと発表した。将来に向けて事業の成長ポテンシャルを最大化するため、最適な方向性を検討する必要があり、検討範囲には同社に対する投資・保有の継続から売却まで、あらゆる選択肢が含まれるとしている。
■ヤクルト本社 <2267> 8,380円 +140 円 (+1.7%) 11:30現在
ヤクルト本社<2267>が4連騰、8月末以降、5日移動平均線を絡めて急速な上値追い歩調が続いている。乳酸菌飲料が好調で国内にとどまらず、海外でも高水準の需要を捉えている。特に人口14億人を抱える巨大市場中国で伸びが顕著となっており、「中国では4~6月期の1日当たり乳製品の販売数量が前年同期比16%増と四半期ベースの伸び率が加速している」(国内中堅証券情報部)という。こうしたなか、同社は来年3月から6月にかけ中国での生産能力を大幅増強に動く構えにあり、来期以降の業績の伸びに期待がかかる状況にある。
■東京エレクトロン <8035> 17,155円 +255 円 (+1.5%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>がいずれも5日ぶり反発となったほか、SCREENホールディングス<7735>は7日ぶり反発となるなど、ここ下値模索を続けていた半導体関連株が買い戻される展開となっている。米中貿易摩擦の激化で半導体関連セクターの収益への影響が懸念され、米国株市場ではインテルやアップル、アプライドマテリアルズなどの下げが続いている。しかし、目先はクアルコムやアドバンスト・マイクロ・デバイスなどが上昇するなど、半導体関連の一角には買いが入り始め、同銘柄群で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)指数は4日ぶりに反発。東京市場でも、半導体関連株は需給思惑先行で売られ過ぎた部分もあり、空売り筋のショートカバーや値ごろ感に着目した押し目買いなどが優勢となった。
■ソニー <6758> 6,325円 +80 円 (+1.3%) 11:30現在
ソニー<6758>が続伸。10日に同社初となるESG(環境・社会・ガバナンス)説明会が開催された様子だ。この説明会に関してSMBC日興証券では、「持続的な社会価値創出にも攻めの姿勢」を高評価。また2040年をメドに再生可能エネルギー導入率100%を目指すことも明らかにされ、ソニーのESG関連の取り組みが前向きに受け止められた。同証券では、投資評価の「1」と目標株価9000円を継続している。
■スタジオアリス <2305> 2,223円 -59 円 (-2.6%) 11:30現在
スタジオアリス<2305>は7日続落。10日の取引終了後に発表した月次売上高(単体)が前年同月比2.3%減と2カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気されている。撮影件数(客数)が全店ベースで同1.5%増となったものの、買い上げ単価が同3.9%減となったことが響いた。なお、8月は2店舗を出店した一方、1店舗を退店した。
■ヤフー <4689> 366円 -5 円 (-1.4%) 11:30現在
ヤフー<4689>が反落している。主要株主の米アルタバ社(ニューヨーク州)が現地時間10日、保有しているヤフー株すべてを売却すると発表したことで需給悪化を懸念した売りが出ているようだ。アルタバは8月31日時点でヤフー株13億6353万1700株(議決権割合26.82%)を保有する第2位の株主。株式の譲渡は米国時間14日に行われる予定としている。
■フライングガーデン <3317> 2,026円 +400 円 (+24.6%) ストップ高 11:30現在
ハンバーグレストランを展開するフライングガーデン <3317> [JQ]がストップ高。10日大引け後に株主優待制度を新設すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いが向かった。毎年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じて2000円~1万2000円の株主優待券または自社商品を贈呈する。なお、自社商品の内容は検討中とし、決定次第通知するという。19年3月末時点の対象株主から優待制度を開始する。
■ライクキッズネクスト <6065> 1,415円 +245 円 (+20.9%) 11:30現在 東証1部 上昇率トップ
ライクキッズネクスト <6065> が急騰。10日大引け後に発表した19年4月期第1四半期(5-7月)の連結営業利益が前年同期比81.5%増の5.7億円に拡大して着地したことが買い材料視された。前期に開設した認可保育園や学童クラブなどの上積みに加え、前期に発生した認可保育園の開設費用がなくなったことで、公的保育事業の収益が急拡大したことが寄与。第1四半期実績だけで、通期計画3.3億円をすでに74.4%も上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。
●ストップ高銘柄
地域新聞社 <2164> 1,358円 +300 円 (+28.4%) ストップ高買い気配 11:30現在
ケアネット <2150> 961円 +150 円 (+18.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース