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【市況】出遅れているセクターや銘柄などの自律反発狙いが中心に【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

24日の日経平均は4日続伸。190.95円高の22601.77円(出来高概算9億8000万株)で取引を終えた。ジャクソンホールでのパウエル連邦準備理事会(FRB)議長による講演を控えるなか、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は、FRBは年内は一段の利上げを実施し、来年も利上げを継続する必要があるとの考えを示した。これを受けて為替市場ではドル円が1ドル111円30銭台と円安に振れており、これが下支えとなった。

もっとも、米中貿易戦争が泥沼化する中、米中通商協議の内容を見極めたいほか、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演への関心が高まる中で商いは膨らまず、出来高は4日ぶりに10億株を割り込み、売買代金は6営業日連続で2兆円を下回っている。セクターではパルプ紙、サービス、情報通信、医薬品、小売がしっかり。半面、鉄鋼、非鉄金属、空運、機械、輸送用機器など景気敏感セクターの弱さが目立っている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>がけん引。

カンザスシティー連銀総裁の発言を受けた円安の流れがショートカバーに向かわせた格好であるが、商いは膨れておらず、景気敏感セクターの弱さをみても、ポジション調整の流れにとどまっている。指値状況の薄い中をインデックスに絡んだ商いによって押し上げられた感はある。中小型株についても動意を見せた銘柄が多くみられたが、前場半ば辺りからはこう着感が強まっていた。日経平均は上値抵抗として意識されていた25日線を突破し、一目均衡表では雲を上放れてきているが、海外勢の売り越し基調のほか、出来高が膨れてくるまでは、積極的にはなりづらいところである。

インデックスに絡んだ商いによってリバウンドが持続する可能性はあるが、トレンド性がないほか、外部環境の不透明要因が一気に好転してくることも考えづらく、物色対象は定まりづらいだろう。足元で売り込まれていた銘柄やバイオ関連など外部環境に振らされ難く出遅れているセクターや銘柄などの自律反発狙いが中心になりやすい。

《AK》

 提供:フィスコ

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