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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~米中貿易摩擦懸念は後退、アジア市場の動向を注視

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

16日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反発、米中貿易摩擦懸念は後退、アジア市場の動向を注視
・ドル・円は小じっかり、米中関係改善に期待
・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はファナック<6954>

■日経平均は反発、米中貿易摩擦懸念は後退、アジア市場の動向を注視

日経平均は反発。29.97円高の22234.19円(出来高概算8億5842万株)で前場の取引を終えた。15日の米国市場では、トルコ政府が一部米国製品への関税引き上げを表明したことや、中国ネット企業大手テンセントの決算を嫌気し、ハイテク株中心に売られる展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比180円安の22000円。ドル円相場は1ドル=110.80円程度と前日から円高方向に振れて推移するなか、本日の日経平均は売り先行となった。その後、中国商務次官が8月下旬に訪米し、米財務次官と協議すると明らかになったことから、米中貿易摩擦激化への懸念が後退し、売り方による買い戻しの動きが観測された。これを受けた日経平均は前引けにかけてプラスに転換した。

東証1部の値下がり数は1600を超えており、全体の約8割を占めた。セクターでは、銀行業、証券・商品取引業、電気・ガス、医薬品が堅調である一方で、石油石炭製品、非鉄金属、化学は軟調。

前場に日経平均がプラスに転換した理由として挙げられているのが、中国商務次官による貿易交渉目的の訪米が明らかになったことである。夏季休暇シーズンによる市場参加者減少を受けて、相場一方向に振れやすくなっていることもあり、短期筋による225先物に対する買い戻しの動きが強まっている。指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>やファナック<6954>、東京エレクトロン<8035>などが持ち直したことはプラス材料だろう。また、アジア市場では、売り先行となった中国株が下げ幅を縮小してきており、プラスに転じた場合は、東京市場にも支援材料となろう。物色対象としては、外部環境の不透明感からディフェンシブセクターへ関心が向かいやすいほか、好業績銘柄に対する再評価の動きや足元で調整していたハイテク株に対する買い戻しの動きが中心になろう。一方で、前日にみられたアジア株動向を受けた海外勢による225先物に対する売り仕掛け的な動きには注意しておきたいところ。


■ドル・円は小じっかり、米中関係改善に期待

16日午前の東京外為市場でドル・円は小じっかり。米中両国が通商問題で次官級協議を開く見通しで、貿易摩擦回避を期待した円売りが強まった。

トルコと米国の関係悪化でリラ売り再開への警戒から、朝方はやや円買い方向に振れた。その後、米中の貿易問題に関する通商協議が今月中に開催されるとの報道を受け、円売り優勢となりドルは110円80銭台に上昇。

ただ、ランチタイムの日経平均先物は下げに転じ、目先の日本株安への思惑からやや円買いに振れやすい地合いに。また、上海総合指数もマイナス圏推移が続いており、目先は円売りを弱めそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円46銭から110円89銭、ユーロ・円は125円29銭から126円11銭、ユーロ・ドルは1.1336ドルから1.1377ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ダブルスタンダード<3925>や日本テレホン<9425>など、5銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はファナック<6954>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・中国商務省

「商務次官が貿易交渉で8月後半に訪米」

・国際通貨基金(IMF)報道官

「トルコ当局から金融支援要請検討の表明を一切受けていない」

【経済指標】

・日・7月貿易収支:-2312億円(予想:-412億円、6月:+7208億円)

・豪・7月失業率:5.3%(予想:5.4%、6月:5.4%)

・豪・7月雇用者数増減:-0.39万人(予想:+1.5万人、6月:+5.09万人)


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
特になし

<海外>
特になし

《HH》

 提供:フィスコ

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