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【市況】トランプ動静のシミュレーション【フィスコ・コラム】


トランプ米大統領はあまりにも破天荒すぎ何をしでかすかわからないが、行動を予測する手がかりはないものか。そんな要望に応えるような匿名サイトが、アメリカで注目を集め始めています。真偽はさておき、頭の体操をしてみてはどうでしょうか。

アメリカ国内の主流派メディアは最近、トランプ政権のインサイダーを名乗る「Q」とその情報を拡散するインターネット上の動きを取り上げ、非難しています。そうした現象を荒唐無稽な陰謀論にもとづくカルトと断じ、放置しておけばいずれ暴動につながりかねないと危惧。記事には、トランプ氏支持の集会で「Q」の文字をあしらったTシャツを着用したり、プラカードを掲げたりする支持者の画像も掲載されています。

「Q」とは、トランプ氏の側近と称する個人(またはグループ)で、政権が進めようとしている「プラン」について匿名サイトで昨年10月から発信。投稿内容の解読を試みるフォロワーたちとのやり取りがSNSや動画サイトで拡散されています。「Q」の簡潔で謎めいた文体は、ウォーターゲート事件を扱った映画『大統領の陰謀』に登場する「ディープ・スロート」のドライな口調を想起させます。

発信者が政権のインサイダーか、単なるなりすましかは不明ですが、投稿内容はまったくのデタラメとは思えない部分もあります。例えば、トランプ氏が米朝首脳会談に応じる意向と報じられた3月8日、フォロワーからの反応に、「Q」はトランプ氏が金正恩氏と「すでに会っている」と明かしています。つまり、この時期のアジア歴訪中に金氏と秘密裡に会い、ディープ・ステートからの北朝鮮解放を約束した、というのです。

「Q」が掲げるプランとは、心ある愛国者が中心となってトランプ氏を担ぎ、ディープ・ステートからアメリカを国民の手に戻すこと。テロなどのこれまでの国難は一部の有力者が金儲けのために仕掛けた自作自演で、歴代の政権はそれに加担してきた、と主張しています。一方、トランプ氏はそうした旧来型の闇組織を打破する正義の使者であり、最終的には既得権益を一掃する、というのがこのストーリーの結末です。

その延長線上で、米連邦準備制度理事会(FRB)にも言及。以前、FRBの今後についてフォロワーから質問され、「ストラクチャ」(構造)とだけ答えています。クリントン政権時代の大統領経済諮問委員会委員長を務めたイエレン前議長はわずか1期で、世銀出身のフィッシャー前副議長は「個人的な理由」のため任期途中で、両者とも歯切れの悪い説明を残して相次ぎ退任。それにも「Q」のプランが関わっているのでしょうか。

トランプ氏の過去の言動を正確に分析したうえで今後の日程を詳細に把握し、合成写真を使えばこうしたサイトは作れそうですが、それにしても上級者レベルであることは間違いありません。発信者の正体がジョン・F・ケネディ・ジュニア(故人)とのウワサまで飛び出し、民主党支持者への痛烈な皮肉にもなっています。中間選挙に向け、「Q現象」がさらに広がりをみせるようなら反トランプ氏勢力も嘲笑していられなくなるでしょう。

(吉池 威)

《SK》

 提供:フィスコ

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