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【市況】日経平均は続落、自動車株軟調な中で決算絡みの個別対応/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は続落。60.13円安の22584.18円(出来高概算6億8765万株)で前場の取引を終えた。8日の米国市場では、トランプ政権が中国からの輸入品160億ドル相当への追加関税を23日に発動することを発表し、売りが先行。引けにかけて下げ幅を縮小したものの、中国政府も同規模の報復措置を決定するなど、貿易摩擦問題の長期化懸念から終日上値の重い展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円安の22570円となり、日経平均はこれにサヤ寄せする格好でマイナススタートになった。また、為替相場が1ドル110円80銭台と前日比円高方向に振れて推移したことや朝方に発表された6月機械受注統計の内容も嫌気された。その後は堅調な中国株動向を受けて、一時22500円を割れた日経平均は前引けにかけて下げ幅を縮小する格好となっている。

 東証1部の値下がり数は1150を超えており、過半数を占めている。セクターでは、非鉄金属、石油石炭製品、建設業が軟調な一方で、化学や空運業は堅調であった。個別では、資生堂<4911>が指数をけん引する格好となっている。前日は取引時間中の決算発表した通期の上方修正値が市場予想を下回ったことから後場から急落したが、決算説明会を受けて本日は見直しの動きが急速に進んでいる。

 東京市場では、日本時間10日に控える日米貿易協議(FFR)初会合を睨んだ様子見ムードが広がる展開となっている。対日での貿易赤字を不安視する米国としては、自動車関税の引き上げを材料に貿易交渉を進めるとみられており、自動車関連銘柄にとっては手がけにくい状況が続こう。加えて、品質不正に絡んだ問題が一段と拡大していることも悪材料だ。他方、足元の3連騰で高値更新を続けていたソフトバンクG<9984>による指数のけん引が本日は一服しており、前述のFFRやサマーシーズン入りによる市場参加者減少などから、後場に積極的な上値追いの動きは見込みにくいとみられる。

 これらを踏まえ、好業績銘柄に対する物色や決算前の先回り買いなどといった個別対応に留まる地合いが継続しやすいだろう。一方で、7月の生産者物価指数及び消費者物価指数といった市場予想を上回る経済指標が発表された中国市場では、上海総合指数が寄り付き(日本時間10:30頃)直後にプラスに転じており、こちらの動向次第では後場に個人投資家のセンチメントへ好影響を与える可能性があるだけに注視しておきたい。(雲宮 祥士)
《AK》

 提供:フィスコ

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