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【市況】需給状況は改善、NT修正なら東エレクがターゲットに/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 27日の日本株市場は、こう着ながらもやや強含みの相場展開が意識されそうだ。26日の米国市場はNYダウが112ドル高となった。トランプ米大統領とユンケル欧州委員長の首脳会談を受けて貿易戦争への警戒感が和らいだことが引き続き材料視されている。フェイスブックは成長鈍化への懸念から20%を超える急落となったが、一方でアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、決算内容が予想を上振れたことで大幅上昇となっており、影響は限られそうだ。とはいえ、本日から決算発表企業が増え、月末までの3営業日で第一弾のピークを迎える。決算発表を見極めたいとする模様眺めムードも強まりやすく、積極的な参加者は限られそうだ。

 EU高官は26日、トランプ米大統領とユンケル欧州委員長が首脳会談で合意した工業製品の関税撤廃などの貿易交渉入りについて、最終的には自動車も撤廃の対象に含まれるとの見通しを示したと報じられている。土壇場で貿易戦争回避といった演出のなか、欧州ヘッジファンドによるショートカバーが引き続き意識されやすいところ。7月3週の投資主体別売買動向では、海外投資家が現物・先物合算で大幅な買い越しとなっている。一方で、個人、信託銀行が売り越しとなったが、海外勢の資金流入、個人の需給整理の進捗に伴い、需給状況は改善傾向にあるとも考えられる。

 また、日銀によるETF配分見直し報道を受けて、NT(日経平均/TOPIX)の修正が強まっている。昨日は東証1部の値上がり数が8割を超える中で、日経平均は反落といった格好である。ETF配分見直しについてはこれまでも幾度か報じられていたが、ファーストリテ<9983>のここにきての急ピッチの調整もあってか、この流れが強まっているようである。インデックス連動の資金は大きく、一旦この動きが加速してくるようだと、パフォーマンスの観点からもよりポジション変更が強まりやすいだろう。東エレク<8035>は26日、2018年4-6月期(1Q)決算を発表。1Q営業益は32%増だったが、コンセンサスを下回っており、NTの修正が強まるなか、短期筋の売りターゲットになりそうだ。

 また、決算発表が本格化するなか、決算評価もみられる一方、失望から大きく売り込まれる銘柄も目立っている。先回り的な商いは限られ、結果を見極めるまでは積極的な売買は手控えられる可能性がありそうだ。決算を手掛かりとした個別物色の流れになろう。
《AK》

 提供:フィスコ

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