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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下値の堅い展開か、週末の重要イベントにらみ

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

4日の欧米外為市場では、ドル・円は下値の堅い展開を予想する。米国市場が独立記念日による休場で薄商いのなか、トランプ政権の対中制裁関税発動や6月雇用統計発表を控え、動きづらい地合いとなろう。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げペース加速観測からドル売りは想定しにくい。

前日の海外市場では利益確定のドル売りが強まり、ドル・円は株価の下落を手がかりに110円半ばまで下げ、そのまま引けた。本日のアジア市場は、米中貿易戦争への懸念が続き、上海総合指数が下落。それに連動して日経平均株価も弱含み、株安を意識した円買いで一時110円20銭台まで値を下げた。ただ、米FRBの利上げ継続を背景にドルに買いが入りやすい地合いに変わりはない。また、5日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6/12-13開催分)や6日発表の6月雇用統計の内容を見極めようと、目先のドルの下げは回避されるだろう。

今晩は米国市場の休場で閑散相場となる見通しだが、引き続き米中貿易戦争がテーマとなりそうだ。トランプ政権は中国に対する知的財産侵害への対抗措置として、中国製品に追加関税を発動する方針を6日までに決断する見通し。制裁発動の場合には両国の対立は決定的となり、世界経済の減速懸念から円買いが優勢となり、ドル・円は6月下旬の安値圏である109円40銭付近に弱含むだろう。逆に対立が回避された場合には5月高値の111円40銭付近を目指す展開になると考えられる。足元ではどちらにも振れる可能性があるため、目先は積極的な売り買いは手控えられよう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・6月サービス業PMI改定値(予想:55.0、速報値:55.0)
・17:30 英・6月サービス業PMI(予想:54.0、5月:54.0)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-4.9%)
・米国休場(独立記念日)

《FA》

 提供:フィスコ

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