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【経済】NYの視点:米景気の過熱感が和らぐ兆候


米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は欧州中央銀行(ECB)のフォーラムで、米国経済の好調な伸びを強調し、「緩やかな利上げ継続の根拠が強い」との見解を示した。一方、一部の指標で、米国経済がピークをつけた兆候も見られる。米国のコンファレンスボードが発表した5月景気先行指数は前月比+0.2%となった。伸びは4月の+0.4%から予想外に鈍化、昨年9月来で最低となった。

今年に入り、住宅の伸びも冴えない。全米不動産協会(NAR)が発表した5月中古住宅販売件数は前月比‐0.4%の543万戸と、4月545万戸から予想外に減少し、1月来で最小となった。米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した4月FHFA住宅価格指数は前月比+0.1%。伸びは拡大予想に反して、3月+0.2%から鈍化。2015年1月以降ほぼ3年ぶり低水準にとどまった。

また、6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は19.9と、5月34.4から低下し、2016年11月以来で最低となった。主要項目である新規受注は17.9と、5月の40.6から22.7ポイント低下。前回のリセッションの真っただ中2008年10月以来の大幅な低下となった。同時に、5月分は4月から22.2ポイント上昇し、1973年1月来の大幅な上昇を記録しており、その反動とも考えられている。結果、フィラデルフィア地区の製造業の伸びは順調だとの見方が強い。継続不可能なペースで拡大しているわけでもなく、貿易問題を受けて、大幅に落ち込んでいるわけでもないと、むしろ、過熱感が和らいだと、好感されているようだ。結局、FOMCの段階的な利上げ軌道が依然、正当化される。

■6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数

◎景況指数:19.9(5月34.4、6カ月平均24.6)
仕入れ価格:51.8(52.6、46.9)
販売価格:33.2(36.4、29.2)
新規受注:17.9(40.6、24.5)
出荷:28.7(25.8、26.1)
受注残:-2.7(15.3、8.9)
入荷遅滞:9.6(18.5、12.2)
在庫水準:30.4(30.2、25.9)
週平均就業時間:24.2(34.4、20.6)

◎6カ月先予想
景況指数:34.8(38.7、40.9)

《CS》

 提供:フィスコ

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