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【特集】ベネ・ワン Research Memo(2):会員制インターネットモール「ベネフィット・ステーション」を展開(1)

ベネ・ワン <日足> 「株探」多機能チャートより

■事業概要

1. 事業概要
ベネフィット・ワン<2412>は、国内において福利厚生事業、インセンティブ事業、ヘルスケア事業、BTM事業、コストダウン事業、ペイロール事業、パーソナル事業、CRM事業、インバウンド事業などを手がける。このうち、福利厚生事業、パーソナル事業及びCRM事業が、ユーザー課金型サービスマッチングサイトである「ベネフィット・ステーション」を共通した経営資源とする。ユーザー課金制であるため、サービス提供企業から他サイトのように広告料を徴収せず、その分を割引価格という形でユーザーに還元する。そのため、ユーザーは利用すればするほど割引メリットを得られることになる。

2. 事業別売上高構成
2018年3月期の連結売上高32,089百万円の事業別構成比は、福利厚生事業が46.5%、パーソナル事業が11.2%、インセンティブ事業が13.2%、ヘルスケア事業が22.2%、等となった。海外事業は0.6%であった。2018年3月期までの3期間の年平均成長率は、福利厚生事業が4.8%にとどまったものの、パーソナル事業が24.3%、インセンティブ事業が29.1%、ヘルスケア事業が14.3%の高伸長を見せ、それぞれの売上高構成比が10%を超えた。

営業利益は、BtoBの福利厚生事業、BtoCのパーソナル事業とCRM事業が、「ベネフィット・ステーション」を共有していることから、合算された区分となる。同区分は、2018年3月期の営業利益6,212百万円の90%弱を占め、売上高営業利益率は全体の19.4%を上回る28.6%を達成している。法人会員増による会費収入の増加と、経費コントロールの徹底により、収益改善に成功している。インセンティブ事業は、取引先のポイント交換が順調に拡大しており、原価低減努力も寄与したことから、売上高営業利益率は17.6%に向上した。ヘルスケア事業は、大型受注案件を順調に消化し、オペレーションの改善も図られたことから増益、利益率も改善した。CRM事業、BTM事業、インバウンド事業は規模が小さく、システムの開発負担等もあり収益への寄与はまだ小さい。海外事業は、先行投資期にあるため損失が続くが、シンガポールやインドネシアにおいて、取引が伸びており黒字化が視野に入ってきている。

3. 会員数の推移
ユーザー課金型ストックビジネスモデルであることから、会員数が積み上がるにつれて業績も拡大する。累計会員数は、2004年に100万人を突破。その後、多角化の効果もあり順調に会員数を拡大してきた。2007年には、200万人、2009年に400万人に達した。2018年4月の総会員数743万人の内訳は、福利厚生会員が475万人、CRM会員が116万人、パーソナル会員が152万人であった。パーソナル会員の減少によりここ2期間は足踏みしているが、2019年4月には900万人、年間で157万人の純増を計画している。

同社自身はサービスを提供する事業者ではなく、福利厚生会員とサービス提供事業者の間に位置し、サービスをマッチングするサイトとして機能する。サービス提供に当たってのインフラ機能が整備されているため、会員数の増加、サービスメニューの拡大などに連動するコストの上昇は限定的になる。

4. 総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」
同社の総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」により、会員は140万件以上の施設・サービスを割安な会員価格で利用することができる。従来の各社自前の福利厚生サービスでは、利用したいメニューがない、もしくはいつも同じメニューで飽きてしまうという不満がある。「ベネフィット・ステーション」を導入することにより、多彩なメニューから自由に選ぶことができるため、利用者の満足度が高い。ユーザー課金型サービスのため、常にユーザー側に立った、ユーザーの課題を解決するサービスを提供するようにしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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