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【特集】【中国の視点】米中貿易摩擦は解消せず、「長期戦備える」


トランプ米政権は29日、中国への制裁関税を6月15日まで公表し、速やかに発動すると発表した。中国企業による知的財産権の侵害が制裁の理由として挙げられている。また、米国のハイテク技術に関連した中国の企業や個人に向けた輸出も規制する方針で、関連措置を6月30日までに公表すると強調した。

中国の専門家は、米中両国が貿易戦争の回避で合意したにもかかわらず、米政府がいったん棚上げにしていた制裁関税の発動を再び発表したことについて、想定の範囲内だと指摘した。現段階では、米中両国が貿易問題について大枠な協議しか達成しておらず、具体的な輸出入品目及び金額などについて、継続的に交渉する必要がある。

また、中国政府がハイテク製造業の発展や人民元の国際化推進、シルクロード経済圏構想「一帯一路」の推進などに注力していると指摘されている。これらの発展・推進が米中間の貿易構造を変化させるほか、世界における米ドルの地位が脅かされる可能性があるため、米政府によるさまざまな追加制裁や反撃などに備える必要がと強調された。

専門家は、米国の対中貿易赤字の縮小が米中貿易戦争の最終目的ではないと指摘。米国の目的が中国の発展を抑制することだとの見方を示した。こうした状況を受け、中国政府が米国との長期戦に備える必要があるほか、中国自身の技術力の向上などに注力する必要があると強調した。
《AN》

 提供:フィスコ

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