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【特集】カンロ Research Memo(2):常に付加価値の高い新製品を開発してきた100年を超える老舗

カンロ <日足> 「株探」多機能チャートより

■会社概要

1. 沿革
カンロ<2216>は1912年に創業した、100年を超える老舗のキャンディメーカーである。1950年に株式会社化、1955年にはカンロ飴が大ヒット、1960年にヒットにちなんで社名をカンロ株式会社に改称した。1962年に東京証券取引所第2部に株式上場して生産力を増強、1980年代はのど飴、1990年代はグミやノンシュガー飴、近年も「ピュレグミ」や「金のミルク」など、時代ごとに新しく付加価値の高い製品を世に送り出している。現在、全国に3工場、1研究所、16営業拠点を擁する、キャンディ業界屈指の大手専業メーカーである。


新CIを導入、糖を基盤とした事業を通して人々の健やかな生活に貢献する
2. 新CIに基づく長期ビジョン
キャンディメーカーとしての同社の認知度は相応に高いと思われる。そのような同社が、2017年に40年ぶりに企業理念を全面的に見直し、新CIを導入した。40年前に比べると日本は格段に豊かになり、菓子は消費者ニーズの多様化とともに種類が増え、ヒット商品やロングセラー商品が簡単に生まれない時代となった。加えてダイエットブームなどに見られる健康に対する意識の向上や、人口減少・少子高齢化など、キャンディを取り巻く環境は非常に厳しくなってきた。こうした事業環境の変化に対して、自らの価値(強み)を再認識し、その価値を基盤に未来のビジョンに向かうため、同社は新CIを導入したのである。

キャンディは、物のない時代に「甘い宝石」と呼ばれ、長く人々の心の豊かさを支えてきた。物があふれて豊かになると、甘い菓子はどこか悪者のように扱われるようになった。しかし、糖には、砂糖のように身体のエネルギーになるものばかりでなく、糖の消化や吸収を穏やかにしたり、歯の健康を保持したりと様々な種類がある。もちろん身体の健康維持・増進に不可欠なものが多く、美味しさを通じて心の健康も維持することができる。だから同社は、糖に対する理解ある環境をつくり、同社の基盤である糖の持つ可能性を、キャンディを通じて提供していこうと考えたのである。新CI導入に合わせ、同社は長期ビジョンと長期ビジョンの実現に向けた事業戦略を定めた。

また、2018年2月に同社は本社オフィスを中野区から新宿区へ移転をした。従来の多層階で分断されがちなオフィスから、「自発的なコミュニケーションにより化学反応しつづけるオープンなオフィス」へと移動することで、社員の健康と生産性の向上を両立する考えである。特徴は、IT環境を充実させた1フロアのオフィスで、仕切りのない執務エリアにフリーアドレスを導入、コーポレートカラーを基調としたエントランス、代表的な商品をイメージした会議室、至るところにあるちょっとしたミーティングのためのテーブルや可動式モニターなど、働き方改革にもつながる先進的な考え方が導入されている。新CIに沿ったオフィスである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《NB》

 提供:フィスコ

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