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【特集】【中国の視点】米中通商交渉、英アーム社のチップセット供給観測で大きく変化も


米中通商交渉の先行きについて、英国の半導体設計企業アーム社による中国企業へのチップセットの供給開始観測で大きく変化する可能性がある。

海外メディアによると、アーム社は中華圏の業務を新規設立された合弁会社アーム・ミニ・チャイナ(アーム・ミニ)に移行する計画で、同合弁会社は4月から稼動する計画だいう。また、中国側がアーム・ミニの株式51%保有しており、中国A株に上場させる予定だとも報じられている。

さらに、英国のメイ首相がアーム社による中国企業へのチップセットの供給を歓迎していると伝われている。予定通りなら3000億米ドル(約33兆円)の受注額になると試算されている。

中国の専門家は、アーム社のチップがRISC構造(従来型のCPUの簡略化による高速技術を実現する)を採用しているため、携帯端末などに適していると指摘。中国は年間巨額なチップセットを輸入しており、大多数は携帯端末に使われているため、アーム社が中国企業のチップセットの供給が開始するなら、米国との貿易交渉が明らかに中国側に有利だと強調した。

なお、トランプ政権は4月、中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)が米国製品を違法にイランや北朝鮮に輸出したことや、米政府に虚偽の説明を繰り返したことを理由に、ZTEへのチップセットなど製品販売を7年間禁止した。そのため、ZTEのスマートフォンの生産を一時中止していると報告されている。
《AN》

 提供:フィスコ

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