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【経済】NYの視点:米債利回り上昇でドル高、同時にリスクも存続


米国10年債利回りが心理的節目となっていた3%を突破した。今後、この水準が天井から底辺になる可能性が出てきた。30年の米国債強気サイクルが終了し、弱気サイクルに転じた可能性が指摘されている。米国の金利先高感に伴うドル高も予想される。ただ、中長期的にドルは上昇するがいくつかのリスクも存続し、ドルが一気に上昇する可能性は少なそうだ。

ドル高に伴い、新興諸国通貨が大きく下落している。今後のリスクのひとつとして、新興諸国の通貨安が経済の混乱につながり、最終的に世界経済を脅かすリスクが挙げられる。年4回の利上げ観測が強まる中、FOMCは金融政策決定にあたり、新興諸国動向も考慮していく必要がでてくる。

2つ目は、イランと北朝鮮という地政学的リスクが根強い。軍事演習などを理由に、北朝鮮が韓国とのハイレベルの対話を拒否。1カ月未満に迫った米朝首脳会談が果たして開催されるかどうかも懐疑的見方が浮上した。会談の行方を巡り、緊張が一層高まるリスクも残る。さらに、イラン情勢も悪化。米国がイラン核合意を離脱し、対イラン制裁を強化する方針を示したほか在イスラエル大使館をエルサレムに移転させたため、中東情勢も緊張が高まった。

3つ目は貿易問題。19日まで訪米している中国の劉鶴副首相は米国との貿易協議に楽観的な見通しを示した。しかし、北朝鮮やイラン核問題など安全保障を絡めた交渉は複雑で、依然リスクとなる。

《CS》

 提供:フィスコ

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