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【特集】RSテクノ Research Memo(1):中・長期的な高い成長ポテンシャルに期待が高まる

RSテクノ <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

RS Technologies<3445>は半導体チップの主要部材であるシリコンウェーハの再生加工のトップメーカー。国内と台湾に工場を持ち、メインサイズの12インチウェーハの再生加工で世界シェア40%を目指している。2018年からは中国でのプライムウェーハ事業に進出し、8インチウェーハの生産能力増強によって収益基盤確立に取り組んでいる。

1. 中国でのプライムウェーハ事業進出を発表
同社は2017年12月に中国におけるプライムウェーハ事業への参入を発表した。これまでの同社は再生加工専業であったが、今後は、新品ウェーハの一貫製造メーカーになるということだ。プライムウェーハの一貫製造においてはシリコン単結晶の引き上げ工程の難易度が高く、そこに大きな事業リスクがある。この点について同社は、中国出身である方永義(ほうながよし)代表取締役社長が経営を行う強みを最大限に生かして、事業リスクを最小限に抑えるスキームによって、新規事業に臨む方針だ。弊社ではこれまでの調査を通じて、同社が挑戦する8インチのプライムウェーハ事業には十分勝算があると考えている。

2. 世界の半導体消費の4割を占める巨大市場に、現地資本企業を子会社化する形で進出
プライムウェーハの事業戦略の最大のポイントは、GRITEKという豊富な経験と実績を有する企業を子会社化して参入する点にある。GRITEKは8インチウェーハの製造と販売の両面で中国でトップクラスの実績を誇っている。中国市場の潜在成長性の高さも重要なポイントだ。世界の半導体の約4割を消費する巨大市場であることに加え、国策として半導体産業の育成をしているため、中国の半導体産業の潜在性成長率は他に類を見ない高さになると期待されている。ここに同社が有する中国との深いつながりが加わる結果、事業の成功可能性は一段と高まると弊社では期待している。

3. 再生ウェーハ事業も高成長が続く。プライムウェーハ事業と合わせて業績は飛躍的に増大へ
既存の収益源である再生ウェーハ事業は堅調な展開が続いている。同社は2019年に約15%の生産能力増強を計画しているほか、金属膜除去技術を生かして新市場の開拓にもめどが立った状況にある。8インチプライムウェーハ事業ではGRITEKの既存能力を4倍増(第1期分)、7倍増(第2期分)と急拡大させる計画だ。こうした成長戦略のもと、2021年12月期において売上高29,000百万円、営業利益6,300百万円の業績を目指している。プライムウェーハの設備増強が完了する2023年12月期時点の連結業績計画は公表されていないが、設備投資やM&Aによる再生ウェーハ事業及びプライムウェーハ事業の更なる事業の拡大が実現すれば、連結売上高は500億円、連結営業利益100億円を超えてくる可能性がある。

■Key Points
・中国子会社の8インチウェーハ生産能力を4倍に増強中。中期的には7倍増までを視野に
・再生ウェーハ事業では生産能力の拡大と新市場の創出の2つの軸で成長戦略を形成
・プライムと再生両事業が順調に拡大すれば、中期的売上高は500億円に達する可能性

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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