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【市況】8日の米国市場ダイジェスト:NYダウは2ドル高、中東情勢の悪化が重石

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

■NY株式:NYダウは2ドル高、中東情勢の悪化が重石

8日の米国株式相場は上昇。ダウ平均は2.89ドル高の24360.21、ナスダックは1.69ポイント高の7266.90で取引を終了した。トランプ大統領によるイラン核合意を巡る発表を午後に控えて揉み合う展開が続き、米国によるイラン核合意の離脱及び、同国への経済制裁の再開が発表されると、地政学リスクへの警戒感から下げ幅を拡大した。引けにかけて原油相場の回復に伴い下げ幅をやや縮小したものの、相場を押し上げるには至らなかった。セクター別では、銀行や資本財が上昇する一方で公益事業やメディアが下落した。

レンタカーのハーツ・グローバル(HTZ)は、1株損失が予想より拡大し急落。ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)は、メディアのウォルト・ディズニー(DIS)による21世紀フォックス(FOX)の映画・テレビ事業の買収に対抗して、600億ドル規模の買収案を計画していることが報じられ軟調推移。一方で、製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)は、通期見通しを上方修正し、上昇。大手行のシティグループ(C)は、アクティビスト(物言う株主)のバリューアクトキャピタルが同社株12億ドル相当を保有していることが明らかとなり、堅調推移となった。

エンターテイメントのウォルト・ディズニー(DIS)は、マーケット終了後に1-3月期決算を発表し、売上高、一株利益ともに予想を上振れた。時間外取引で小幅上昇して推移している。


■NY為替:イラン核合意から米国離脱もドルは下げ渋る

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円35銭まで上昇後、一時108円83銭まで反落したが、109円12銭で引けた。米国3月JOLT求人件数が過去最高に達し米国債利回り上昇に伴うドル買いが一時優勢となった。トランプ大統領がイラン核合意から米国は離脱すると発表したことから、地政学的リスク警戒感にドル売り・円買いが優勢となったが、株価反転を意識してドルは下げ渋った。

ユーロ・ドルは、1.1838ドルまで続落後、1.1886ドルまで反発し、1.1863ドルで引けた。イタリアの政局不安を嫌気したユーロ売りが続いた。3回目の連立協議がまとまらず、7月にも再選挙が行われる可能性が強まった。ユーロ・円は、129円73銭まで上昇後、129円25銭まで下落。ポンド・ドルは、1.3485ドルまで下落後、1.3561ドルまで反発した。ドル・スイスは、1.0040フランへ上昇後、一時1.0003フランまで下落した。


■NY原油:反落で69.06ドル、米国はイラン核合意からの離脱決定

NY原油先物6月限は反落(NYMEX原油6月限終値:69.06 ↓1.67)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日比-1.67ドルの69.06ドルで通常取引を終えた。一時67.63ドルまで下げたが、トランプ大統領がイラン核合意から米国は離脱すると発表した後の時間外取引で70.40ドルまで戻している。市場関係者の間では米国の離脱はおおむね想定されていたが、イラン政府は5カ国で核合意の枠組みを維持していくことを発表している。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 29.93ドル +0.29ドル(+0.98%)
モルガン・スタンレー(MS) 53.38ドル +0.99ドル(+1.89%)
ゴールドマン・サックス(GS)237.00ドル -0.20ドル(-0.08%)
インテル(INTC) 53.63ドル +0.30ドル(+0.56%)
アップル(AAPL) 186.05ドル +0.89ドル(+0.48%)
アルファベット(GOOG) 1053.91ドル -0.88ドル(-0.08%)
フェイスブック(FB) 178.92ドル +0.95ドル(+0.53%)
キャタピラー(CAT) 149.93ドル +0.11ドル(+0.07%)
アルコア(AA) 53.76ドル -0.79ドル(-1.45%)
ウォルマート(WMT) 85.74ドル +0.27ドル(+0.32%)
スプリント(S) 5.15ドル -0.09ドル(-1.72%)

《HT》

 提供:フィスコ

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