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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~アップル決算受けスマホ関連に見直し買いも全体の上値は重い

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、アップル決算受けスマホ関連に見直し買いも全体の上値は重い
・ドル・円は弱含み、節目付近の売りに押される展開
・値下がり寄与トップはファナック<6954>、同2位はソフトバンクG<9984>

■日経平均は反落、アップル決算受けスマホ関連に見直し買いも全体の上値は重い

日経平均は反落。71.57円安の22436.46円(出来高概算7億5555万株)で前場の取引を終えている。1日の米国市場では、主要企業決算が嫌気されて売りが先行したほか、トランプ大統領が、EUやカナダなど5ヵ国に対する鉄鋼・アルミニウム輸入関税の適用を1ヶ月延期したことで先行き不透明感が強まった。引け後に米アップルが発表した18年1-3月期決算は、売上高・1株利益ともに予想を上振れたほか、1000億ドルの自社株買い計画と16%の増配も好感され、時間外取引で上昇した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円高の22540円となり、為替市場では朝方に1ドル109円80銭台と前日比円安方向に振れる場面がみられた。これらを背景に本日の日経平均は買い先行でスタートした。米アップルの好決算を受け、iPhoneの販売不振懸念が後退したことで日東電<6988>やアルプス<6770>、TDK<6762>などのスマホ関連銘柄が見直されたほか、決算を受けた個別物色の動きが目立つ格好となった。しかし、為替が朝方からやや円高方向に振れたほか、日経平均が直近3営業日で続伸していることも背景として連休前に利益を確保する動きが強まり、マイナスに転じて前場の取引を終えた。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1000を超え、全体の約半分近くを占めた。セクターでは、石油石炭、鉱業、不動産業、医薬品、空運業がさえない半面、その他金融、ガラス土石、金属製品、食料品は堅調であった。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>やソフトバンクG<9984>が2銘柄で日経平均を約25円押し下げたほか、テルモ<4543>やホンダ<7267>がさえない。一方で、日東電のほか、信越化<4063>、アドバンテ<6857>、ヤマトHD<9064>、JT<2914>、ヤマハ<7951>などはしっかり。

国内は4連休前であり、海外では週末にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計発表など重要イベントが控えている。また、週明け7日からの1週間でも1000社を超える企業が決算を迎えることから、オーバーウィークでのポジションは取りにくい需給状況であり、これまで上昇していた主力大型株には利益確定の動きが一段と強まる可能性がある。前場に日経平均が下げ幅を拡大した半面、日経ジャスダック平均やマザーズ指数は上げ幅を拡大しており、短期資金は一部の好業績銘柄や値動きの軽い中小型株へとシフトする展開が続きそうだ。

(雲宮祥士)


■ドル・円は弱含み、節目付近の売りに押される展開

2日午前の東京市場で、ドル・円は弱含み。心理的節目の110円に接近したが、節目付近の売り圧力に押され値を下げた。

ドル・円は、前日NY市場で109円後半に水準を切り上げ、今年2月以来3カ月ぶりの110円回復が視野に入った。ただ、重要な節目でもあり売り圧力も強く、ドルは109円90銭台まで上昇後は下げに転じた

ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏で推移し、目先の日本株安継続への警戒から、足元はドル売り・円買いの流れ。ただ、米10年債利回りが2.974%付近にやや持ち直しており、目先はドル買いが再開する可能性もあろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円65銭から109円92銭、ユーロ・円は131円64銭から131円83銭、ユーロ・ドルは1.1988ドルから1.2010ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・リアルワールド<3691>がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファナック<6954>、同2位はソフトバンクG<9984>


■経済指標・要人発言

・ポロズ・カナダ銀総裁
「(カナダ経済の見通しは)かなり良好、今後利上げが必要との考えを強くしている」


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・14:00 4月消費者態度指数(予想:44.5、3月:44.3)

<海外>
特になし

《FA》

 提供:フィスコ

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