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【特集】【中国の視点】米トランプ政権、アフリカなどの貿易援助中止へ


米政府はこのほど、ルワンダに対して輸入関税を免除するアフリカ成長機会法(AGOA)の適用を60日間中止すると発表した。ルワンダが米国から輸入する古着に課している関税率が引き下げられるまで継続する方針を明確にした。米国は2000年に開始した対アフリカなど後発開発途上国の貿易援助を放棄したことで、今後のアフリカ経済に大きな悪影響を与える恐れがあると警戒されている。

不安定な政局が長く続くアフリカでは、インフラの整備が遅れており、アパレル産業はこの地域にとって主要な産業となっている。古着輸入の課税は中国に続いて第二の世界工場になるという野心がうかがえる。

AGOAは米国が2000年に始まった法案で、同法案が開始されてからAGOAの適用国から米国への輸出は3倍近く拡大している。AGOAは2015年に延長され、2025年までの期限が設けられている。トランプ政権は同法案を撤廃することを国会に要求することができないため、対アフリカの援助を削減する方法を取っていると指摘されている。

中国の専門家は、米国の対アフリカ政策の変更について、中国の対アフリカの輸出急増が背景にあるとの見方を示した。米国内におけるシェールガスの生産増に伴い、アフリカからの原油輸入は急速に減少し、米国の対アフリカ貿易赤字も10倍近く縮小していると指摘。これとは対照的に、アフリカに向けた中国の輸出は米国の約5倍になっている。米国はアフリカに対し公平な貿易を要求するほか、政治の面においては「中国陰謀論」をアフリカで広げていると批判されている。
《AN》

 提供:フィスコ

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