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【経済】NYの視点:米10年債利回り3%はチャレンジも経済改善の証拠


米国の10年債利回りは心理的節目と見られていた3%を突破した。経済が金融危機から脱し正常化し、インフレの兆候が見られ始めたことが背景となる。30年サイクルでは金利上昇局面入りした可能性がある。今後は、3%が天井ではなく、サポートとなっていく可能性もあり中長期的なドル高要因になる。

同時に、市場では警戒感も浮上。10年債利回りで3.5%以上に上昇した場合、住宅市場に害を及ぼす可能性も懸念されている。また、現在、景気後退の兆候は見られないが、リセッション循環でいえばあと18カ月後には景気後退入りする可能性にも備えなければならない。株式相場ではドル高も懸念材料になる。

さらに、信用の問題が露呈する可能性も警戒される。米10年債利回りは+0.7%の3%。これにともない30年物住宅ローン金利は4.5%と、0.7%の上昇で、2014年来の高水準となった。自動車ローン金利は3.96%となり、2012年来の高水準。クレジットカードの金利も 16.68 %へ跳ね上がる。

■新たな金利設定
米10年債利回り:3%(+0.7%)
住宅ローン金利:4.5%(+0.7%)、2014年来の高水準
自動車ローン金利:3.96%、2012年来の高水準
クレジットカード金利: 16.68 %

米国11月の中間選挙では、民主党が下院での議席数を増やし、逆転する可能性がある。そうなると、トランプ大統領が掲げる経済政策の実施が滞り、成長が抑制される可能性は確かに考えられる。

しかし当面、金利の正常化は、金融危機から経済やインフレから回復していることを反映していると見られ、むしろ歓迎すべきだと考える。ウォートンスクールのジェレミー・シーゲル教授もインタビューで、「金利の上昇はもちろんチャレンジだが、基本的には経済が正常化している証拠だ。雇用も毎月20万人増かしており景気後退の兆候はみられない」と楽観的な見解を示した。

《CS》

 提供:フィスコ

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