【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、トーカイ、トヨタ
三菱UFJ <日足> 「株探」多機能チャートより
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が5日続伸し底値離脱を鮮明としているほか、第一生命ホールディングス<8750>も同じく5連騰で5日移動平均線を足場に上げ足を強めてきた。米国では10年債利回りがここ上昇基調を強め、直近は2.99%とフシ目の3%台突破が目前となった。最近の原油市況の上昇が米長期金利上昇の引き金となっているほか、前日発表された3月の中古住宅販売件数が市場コンセンサスを下回る数字だったことなどが債券売りを助長した。これを受け、米国事業を展開する両社など大手金融株は運用環境の改善期待が株価を押し上げる背景となっている。
■トーカイ <9729> 2,293円 +52 円 (+2.3%) 本日終値
23日、トーカイ <9729> が18年3月期の連結経常利益を従来予想の73.1億円→79.1億円に8.2%上方修正。従来の4.9%減益予想から一転して2.9%増益を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。調剤薬局の新規出店を背景に処方せん受付回数が増加したうえ、処方せん単価も上昇したことが寄与。病院・介護関連のレンタル売上やクリーニング設備販売が好調だったことも収益を押し上げた。業績上振れに伴い、前期の年間配当を従来計画の40.5円→43.5円に増額修正した支援材料となった。併せて、TDK <6762> 、昭和電機産業と共同開発してきたリストバンド型ウエアラブル機器が医療機器認証を取得したことを明らかにした。
■トヨタ自動車 <7203> 7,110円 +140 円 (+2.0%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が軒並み上値追い態勢となっている。米10年債利回りが一時2.99%と4年3カ月ぶりとなる3%大台乗せ目前まで上昇、これを受けて外国為替市場でドル買いの動きが活発化し、足もとは1ドル=108円台後半まで急速にドル高・円安が進行、これが輸出株全般に追い風となっている。特に為替感応度の高い自動車セクターは19年3月期業績に与える輸出採算改善への思惑が見直し買いに反映されている形だ。
■積水化学工業 <4204> 1,949円 +34 円 (+1.8%) 本日終値
積水化学工業<4204>が続伸。23日の取引終了後、住宅向けフィルム型リチウムイオン電池の生産能力を増強すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。子会社エナックス中部事業所(愛知県常滑市)に約40億円を投じて、住宅向けを中心としたフィルム型リチウムイオン電池単電池の建屋・生産設備を増設し、生産能力を増強する。稼働は19年度下期を予定しており、稼働後のフィルム型LiBの生産能力は、約1万棟分となる。なお、生産ライン新設とあわせて、積水化つくば事業所とエナックス中部事業所に分散していた生産工程をエナックス中部事業所に集約し、一貫生産体制を構築して生産効率の向上を図るとしている。
■ファンコミ <2461> 693円 +4 円 (+0.6%) 本日終値
ファンコミュニケーションズ<2461>が3日ぶりに反発。23日の取引終了後、現金でキャッシュバックされる買い物サイト「monoka(モノカ)」のiOS版アプリを提供開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。monokaは、ネットショッピングの際にmonoka経由で購入するだけで現金が戻ってくる、キャッシュバックサービスで、ポイント還元ではなく現金キャッシュバックのため、交換の手間や利用制限、交換までのタイムラグがないのが特徴。これまでWebサイトのみの展開だったが、ユーザーの8割がモバイル環境で、さらにモバイルユーザーの7割がiPhoneからアクセスしていることから、今回のiOSアプリ開発となったとしている。
■持田製薬 <4534> 7,340円 +20 円 (+0.3%) 本日終値
持田製薬<4534>はしっかり。23日の取引終了後、集計中の18年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の100億円から116億円(前の期比2.0%増)へ、純利益が75億円から90億円(同5.6%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好材料視された。売上高は従来予想の1070億円に対して1067億円(同9.6%増)と予想を若干下回るものの、医薬品関連事業の製品構成の変化が利益を押し上げた。
■ライトオン <7445> 1,016円 +2 円 (+0.2%) 本日終値
ライトオン<7445>が3日続伸。23日の取引終了後に発表した4月度(3月21日~4月20日)の月次売上高で、既存店売上高が前年同月比5.4%増と4カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。全国的に気温が高く推移したことで、前倒しで投入している夏物商品がメンズ、ウィメンズともに好調に推移した。また、前年に比べて休日が1日多かったことも売上高を押し上げた。商品動向では、メンズでは長袖Tシャツ、ウィメンズではブラウスが前月に続き堅調だった。なお、全店売上高は同5.9%増だった。
■HUG <3676> 1,833円 +2 円 (+0.1%) 本日終値
ハーツユナイテッドグループ<3676>が4日ぶりに反発。午前11時ごろ、子会社デジタルハーツが、NTT東日本(東京都新宿区)と協業するとともに、セキュリティー事業を本格化しセキュリティーソリューションサービス「DH Secure」の提供を開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回の協業によりデジタルハーツは、NTT東日本からUTM(ネットワークの統合脅威管理)商材および回線サービスの卸提供を受け、脆弱性診断などのサービスと合わせて、回線開通からセキュリティー運用のワンストップかつカスタマイズソリューションとして販売するという。デジタルハーツでは、昨年11月にサイバーセキュリティーのエフセキュア(東京都港区)と協業し、社内IT資産の脆弱性を診断するサービスの提供を開始しているが、今回のNTT東日本との協業で、不正侵入対策やエンドポイント対策といった統合脅威管理に関してもサービス提供が可能になったとしている。
■日本システムウエア <9739> 2,556円 -294 円 (-10.3%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
NSW<9739>が急反落。23日の取引終了後、集計中の18年3月期連結業績について、売上高が従来予想の320億円から335億円(前の期比9.2%増)へ、営業利益が24億円から29億円(同21.3%増)へ、純利益が16億5000万円から20億5000万円(同20.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したが、1~3月期では7%の営業減益となり、これを嫌気した売りが出たようだ。なお、上方修正は、デバイス開発をはじめとするプロダクトソリューション事業の需要増大に伴い、受注が堅調に推移したことなどが売上高・利益を押し上げたという。
■コクヨ <7984> 1,889円 -182 円 (-8.8%) 本日終値 東証1部 下落率2位
コクヨ<7984>が大幅4日続落。23日の取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)連結決算が、売上高881億2800万円(前年同期比1.9%減)、営業利益89億9100万円(同2.5%減)、純利益70億6400万円(同12.0%減)と減収減益となったことが嫌気された。オフィス家具販売は好調に推移したものの、店舗用什器の製造・販売などを行うストア事業の譲渡や、ステーショナリー関連事業および通販・小売関連事業の減収が響き売上高は減少した。一方、売上総利益率にこだわった施策の継続的な推進で、売上総利益率は改善したが、販管費の上昇などもあり減益を余儀なくされた。なお、18年12月期通期業績予想は、売上高3180億円(前期比0.8%増)、営業利益180億円(同2.3%増)、純利益138億円(同8.0%減)の従来見通しを据え置いている。
株探ニュース