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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は上値の重い展開か、米国の対日赤字是正を引き続き意識

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

19日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想したい。日米首脳会談を終えイベント通過に伴う円売りが先行し、下値リスクは後退する見通し。ただ、米国が対日貿易赤字を是正する姿勢は変わらず、積極的なドル買いは手控えられそうだ。

トランプ米大統領と安倍首相はフロリダでの首脳会談を終え、日本時間の今朝共同記者会見に臨んだ。冒頭、トランプ大統領が会談の内容に関し、両国は北朝鮮の非核化で歩調を合わせることで一致したと説明。一方、通商面については、米国は日本に対し巨額の貿易赤字を計上していると強調したうえで、今後は2国間の枠組みで貿易不均衡を是正していく方針を示した。しかし、円安への批判がなかったことから、本日のアジア市場では、安心感による円売りが強まった。ドル・円は一時107円半ばまで上昇し、目先の下値リスクは後退したと言えよう。

ただ、トランプ大統領は鉄鋼・アルミ製品の輸入制限について、日本を適用から除外する考えは示さなかった。また、2国間交渉による貿易不均衡の是正に意欲を示したことで、円先高観が根強く残るとみられ、今晩の海外市場でのドル・円の反発はある程度限定的になる可能性がある。

また、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)理事の講演があり、利上げペース加速に慎重な見解が見込まれる。加えて、フィラデルフィア連銀の4月製造業景況指数は低下が予想されており、ドル買いを進めづらい状況になりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・2月経常収支(1月:+128億ユーロ)
・17:30 英・3月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-0.6%、2月:+0.8%)
・21:00 ブレイナード米FRB理事講演(規制改革)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:23.0万件、前回:23.3万件)
・21:30 米・4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:21.0、3月:22.3)
・22:30 クオールズ米FRB副議長(銀行監督担当)が上院証言
・23:00 米・3月景気先行指数(前月比予想:+0.3%、2月:+0.6%)

《FA》

 提供:フィスコ

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