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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩み、米CPI発表後の金利・株価動向に警戒

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

13日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。米インフレの上昇が予想通りとなれば利上げペース加速観測が高まり、ドル買いに振れるだろう。ただ、米国の長期金利の急激な変動は株価に影響を与えるため、警戒も必要となりそうだ。

前週末に発表された米国の2月雇用統計では、非農業部門雇用者数は予想を大幅に上回った一方で、失業率が悪化したほか、平均時給は伸びが鈍化した。それによりインフレ期待は低下し、週明け12日のNY市場ではドル売りが優勢になった。ただ、本日21時半発表の2月消費者物価指数(CPI)は、連邦準備制度理事会(FRB)の目標である+2.0%を上回る伸びが見込まれ、内容次第では利上げペース加速観測が高まり、ドルを押し上げそうだ。ただし、CPIが市場コンセンサスを大きく上回り、長期金利が急上昇した場合には株価を圧迫し、結果としてドル・円は押し下げられる可能性もある。

また、日米の政治情勢も注目材料。米国のペンシルベニア州下院補欠選挙は、直近の世論調査で共和党候補が民主党候補に逆転を許している。同州の選挙区は多くの鉄鋼関係者を抱え、トランプ大統領が電撃的に打ち出した鉄鋼・アルミ製品の輸入制限が奏功するかが焦点。ただ、共和党候補が敗れれば、11月の中間選挙に不透明感が広がり、ドル売りに振れる可能性がありそうだ。

一方、森友文書書き換え問題で責任が問われる麻生財務相は本日午前、自身の辞任を改めて否定した。ただ、ある自民党筋は、来年度予算成立後の同相辞任の可能性に言及。安倍首相の求心力が目先急速に低下すれば、円買い地合いが強まろう。

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・2月消費者物価指数(前年比予想:+2.2%、1月:+2.1%)
・02:00 米財務省30年債入札(130億ドル、リオープン)
・EU財務相理事会
・米ペンシルベニア州下院補欠選挙

《FA》

 提供:フィスコ

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