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【通貨】ユーロ週間見通し:底堅い展開か、ECBはハト派寄りも日銀は緩和継続へ

ユーロ円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■弱含み、ECBは2019年のインフレ見通し引き下げ

先週のユーロ・ドルは弱含み。欧州中央銀行(ECB)は「必要なら債券買い入れの規模拡大」との文言を削除したものの、2019年のインフレ見通しを引き下げたことなどを意識してユーロは伸び悩んだ。また、9日発表された2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に上回ったこともユーロ売り・米ドル買いを促す一因となった。取引レンジ:1.2269ドル-1.2446ドル。

■もみ合いか、欧米中銀の政策スタンスの違いを材料視

今週のユーロ・ドルはもみあいか。ユーロ圏の経済指標は底堅い内容だが、欧州中央銀行(ECB)は金融緩和策の早期縮小には慎重な姿勢を崩していない。ユーロ・ドルの上昇は短期的に抑制される展開となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてユーロ買い・ドル売りは慎重になりやすい。ただし、米通商政策に対する市場の懸念は消えていないため、ユーロ売り・米ドル買いがさらに強まる可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.2150ドル-1.2450ドル

■強含み、米朝対話への期待でユーロ買い強まる

先週のユーロ・円は強含み。イタリア総選挙でポピュリズム政党が単独で第1党となったことを嫌ってユーロは伸び悩んだが、ドイツ政治の安定化や米朝対話への期待が高まり、ユーロ買い・円売りが活発となった。欧米諸国の株高もユーロ買い材料となったようだ。取引レンジ:129円35銭-132円02銭。

■底堅い展開か、ECBはハト派寄りも日銀は緩和継続へ

来週のユーロ・円は底堅い展開か。欧州中央銀行(ECB)は金融緩和策の早期縮小には慎重な姿勢を保っており、1月鉱工業生産や2月消費者物価指数(CPI)改定値が市場予想を上回った場合でもユーロ買いは小幅にとどまりそうだ。ただ、日本銀行は現行の金融緩和策を堅持することから、ユーロ圏と日本の金利差拡大への思惑は後退せず、ユーロの対円レートは底堅い動きが続くことになりそうだ。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・14日:1月鉱工業生産(前月比予想:-0.2%、12月:+0.4%)
・16日:2月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.2%、速報値:+1.3%)

予想レンジ:130円00銭-133円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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