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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米FRB議長証言見極めムードも

ドル円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

23日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米利上げペース加速観測からドルの押し目買いが入りやすい地合いが見込まれる。ただ、来週の連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言を見極めたいとのムードが広がり、ドルの上昇は小幅にとどまろう。

本日のアジア市場では、前日海外市場の不安定な相場展開が意識されているようだ。特に、米10年債利回りは今週つけた約4年ぶりの水準からやや低下したものの、引き続き節目の3.00%を目前に急激な動きが警戒されており、長期金利の上昇は必ずしもドル買いにつながっていない。連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて利上げペース加速への思惑からドル買い基調となったものの、ドル・円は108円を回復できなかったことが「強気になれない市場心理を反映している」と、ある市場筋は指摘する。

今晩の海外市場では、重要経済指標の発表が予定されておらず、ダドリーNY連銀総裁とローゼングレン米ボストン連銀総裁が参加するFRBバランスシートをテーマとした討論会や、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁の米国経済の見通しを主題とする講演などが材料視される。地区連銀総裁たちからは利上げ方針維持の姿勢がみられようが、28日に予定されるパウエル議長による初の議会証言を控え、ドル買いは慎重になろう。

一方、前日は欧州中央銀行(ECB)の1月理事会議事要旨が発表された後にユーロ・ドルは1.2352ドルまで強含んだが、本日のアジア市場では利益確定売りが強まり、1.23ドル付近に失速。議事要旨に関してはタカ派寄りでなかったとの見方からユーロ買いは強まっておらず、ドル・円をやや押し上げている。ただ、平昌オリンピックの閉会後は東アジア地域で再び緊張が高まるとの警戒も一部に出始め、円売りには消極的なムードもある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・19:00 ユーロ圏・1月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.3%、速報値:+1.4%)
・22:30 カナダ・1月消費者物価指数(前年比予想:+1.5%、12月:+1.9%)
・24:15 NY連銀総裁とボストン連銀総裁が討論会参加(FRBバランスシート)
・05:40 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(米国経済見通し)

《CS》

 提供:フィスコ

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