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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

土木管理 <日足> 「株探」多機能チャートより

■土木管理 <6171>  712円 (+100円、+16.3%) ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。土木管理総合試験所 <6171> がストップ高。22日午後0時30分ごろ、道路・軌道の異常度診断ビックデータ共有システム「ROAD-S(ロードス)」の開発が完了し、今春から段階的にサービスの提供を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。「ロードス」は、道路・軌道を法定速度で走行しながら、同社の地中レーダ探査技術を用いてデータを集積し、それを劣化診断アルゴリズムや人工知能(AI)を用いた解析ソフトで処理した解析ファイルをシステムへアップ。これをダウンロードすると、空洞の有無や埋設管の配置、床版の異常、舗装体の異常、舗装表面のひび割れ、わだち掘れに対する6種類の基礎データをカラーマップで確認できるというもの。調査費の削減や修繕工事費の最適化につながるものとして注目されている。

■富士通コン <6719>  1,085円 (+150円、+16.0%) ストップ高

 富士通コンポーネント <6719> [東証2]がストップ高。世界的な電気自動車(EV)シフトの動きが強まるなか、日本でも官民を挙げたEV普及への取り組みが加速している。同社は電気回路をコントロールするリレーの大手メーカーでEV需要の拡大で恩恵を享受するとの見方が強い。18年3月期営業利益について会社側は強含み横ばいの10億円を見込むが上振れする可能性も意識されている。1月下旬から2月中旬にかけて、株価を大きく調整してきたこともあって、値ごろ感も意識され一気に切り返し態勢に入った。

■ミズホメディ <4595>  5,130円 (+705円、+15.9%) ストップ高

 ミズホメディー <4595> [JQ]がストップ高。22日午前9時15分ごろ、遺伝子POCT検査として用いることができるマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」の国内製造販売承認を19日に取得したと発表しており、これを好感した買いが入った。マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエという病原性微生物に感染しておこる肺炎で、感染患者の家族間など濃厚な接触により感染拡大するのが特徴。今回発売するキットは、同社独自の遺伝子抽出技術とPCR増幅産物をリアルタイムに検出する技術を原理とし、小型の専用装置を用いて、遺伝子の抽出・増幅・検出の全ての工程を1つのカートリッジ内で1ステップかつ短時間で行うことを可能としており、これによりマイコプラズマ感染の検査を、開業医や診療所などでも簡易迅速でかつ高感度に実施することができるようになるという。なお、発売は夏ごろを予定している。

■ハナツアーJ <6561>  3,470円 (+360円、+11.6%)

 HANATOUR JAPAN <6561> [東証M]が急反騰。日本政府観光局(JNTO)が21日の取引終了後に発表した1月の訪日外客数(推定値)が前年同月比9.0%増の250万2000人となり、1月として過去最高を記録したことで、インバウンド専門の旅行会社である同社にも業績への寄与が期待されたようだ。JNTOによると、昨年は1月末にあった春節(旧正月)休暇が今年は2月となったことで、中華圏の国や地域などでは訪日者数が伸び悩んだが、韓国や豪州は単月として過去最高を記録したという。親会社が韓国最大の旅行会社で、取扱旅行客の多くが韓国からの訪日客である同社には業績へのプラス効果が大きいとの見方が強まっている。

■東洋炭素 <5310>  3,985円 (+380円、+10.5%)

 東証1部の上昇率3位。東洋炭素 <5310> が5連騰し、昨年来高値を更新した。株価は2月上旬に大きく調整を入れたが、16日以降は一変して上げ足を加速した。電気自動車(EV)の普及に絡み、近年急速に成長過程にある「パワー半導体」市場が注目されている。シリコンよりも耐圧、高速・高温動作などで優位性を持つ炭化ケイ素(SiC)製品の量産に取り組む企業が多いなか、同社はSiCウエハーの平坦表面技術を開発するなど同分野での技術力に定評がある。2020年にも同ウエハーの量産を開始する方針にあり、関連有力株として注目度が高まっている。

■平和 <6412>  2,285円 (+169円、+8.0%)

 東証1部の上昇率8位。平和 <6412> が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が21日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を1850円から2600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、1月末発表のパチスロ機の規制緩和効果で、19年3月期以降の業績予想を営業利益で123億円から183億円に大幅に上方修正しており、特に遊技機事業の利益構成比が急速に上昇すると予想。また、19年3月期以降の同社の収益構造は、従来想定のゴルフ事業中心から、遊技機事業とゴルフ事業の2本柱に変わり、20年3月期営業利益も131億円から262億円に上方修正した。パチスロ規制緩和効果による19年3月期と20年3月期の大幅増益シナリオはまだ株価に織り込まれていないと指摘している。

■アダストリア <2685>  2,410円 (+169円、+7.5%)

 東証1部の上昇率9位。アダストリア <2685> が続急伸。21日に代表取締役の異動を発表。創業者で代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の福田三千男氏が代表取締役会長兼CEO兼社長に就任する。代表取締役最高執行責任者(COO)の松下正氏は取締役となり、5月には任期満了で取締役も退任する。市場では、創業者の完全復帰とみており、その実行力による業績回復期待が出ている。

■TBSHD <9401>  2,491円 (+166円、+7.1%)

 東証1部の上昇率10位。TBSホールディングス <9401> が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が21日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を2860円から3250円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、同社株価は、株式市場低迷の影響などで1月5日の年初来高値2920円から約20%下落したが、19年3月期以降の新しい収益予想はまだ株価に織り込まれていないと指摘。従来想定を上回るサボリーノ関連商品の拡販や、視聴率の上昇によるスポット・タイム合計売上高予想の増額などで、同証券では22年3月期まで5期連続で営業増益が続くとみており、営業利益の伸び率予想を19年3月期30.1%増(従来10.0%増)、20年3月期18.8%増(同13.4%増)、21年3月期11.5%増(同7.7%増)、22年3月期9.4%増(同5.8%増)と従来比で拡大すると予想している。

■シグマクシス <6088>  1,682円 (+96円、+6.1%)

 シグマクシス <6088> が急反発、昨年来高値を更新した。同社は三菱商系の経営コンサルティング会社で、戦略立案やシステム開発、業務効率化など一貫した支援業務を手掛けるが、特に人工知能(AI)を活用したノウハウを駆使して業界の需要を取り込むことに成功している。現在米国では“AIの民主化”という概念が浸透しており、誰もが恩恵を共有できるという目標に向かって、マイクロソフトやグーグル、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアといった有力企業がしのぎを削っている。同社はこの流れに沿う日本企業の一角として注目される。18年3月期第3四半期累計(17年4-12月)の連結営業利益は前年同期比53%増の8億600万円と好調で、足もとの好業績を評価する買いも流入した。

■ソラスト <6197>  2,900円 (+147円、+5.3%)

 ソラスト <6197> が3日続伸。21日の取引終了後に発表した1月介護サービス利用状況で、訪問介護利用者数が前年同月比23.2%増、デイサービス利用者数が同84.4%増となり、高水準の増加が続いていることが好感された。昨年10月にベストケア、11月に日本ケアリンクを子会社化したことで成長が加速しているもよう。また入居率も、有料老人ホーム94.3%(前年同月98.3%)はやや悪化したが、グループホーム98.0%(同97.5%)、サービス付き高齢者向け住宅92.7%(同92.0%)と改善している。

■セイノーHD <9076>  1,865円 (+86円、+4.8%)

 セイノーホールディングス <9076> が大幅続伸。SMBC日興証券が21日付で、投資評価を新規「1」、目標株価2200円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、17年に「宅配クライシス」として認識された、宅配業界の需給逼迫や運賃改善の流れは、トラック業界や引っ越し業界にも波及すると予想しており、大手トラック事業者として同社も運賃是正を進めやすい環境にあると指摘。同社の18年3月期上期における運賃は前年同期比0.8%増だったが、19年3月期の運賃上昇幅は3%程度まで拡大し、運賃是正のモメンタムは、株式市場の見方以上に加速すると予想している。また、同証券では18年3月期営業利益を会社予想の280億円を上回る300億円と予想。さらに運賃是正の効果として、19年3月期を同340億円、20年3月期は同380億円と2ケタの利益成長を見込んでいる。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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