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【注目】前週末16日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

富士ソフト <日足> 「株探」多機能チャートより
■富士ソフト <9749>  3,770円 (+220円、+6.2%)

 富士ソフト <9749> が続急伸。15日の取引終了後に発表した18年12月期連結業績予想で、売上高1870億円(前期比3.4%増)、営業利益100億円(同3.0%増)、純利益59億円(同1.8%増)と5期連続で営業増益を見込んでいることが好感された。FA向け機械制御系や自動車関連のシステムインテグレーション(SI)が牽引役となる見通し。また、流通や金融業向けSIも伸長する見通しだ。なお、17年12月期決算は、売上高1807億7300万円(前の期比10.1%増)、営業利益97億700万円(同10.3%増)、純利益57億9700万円(同15.0%増)だった。

■ユニ・チャーム <8113>  2,949.5円 (+168.5円、+6.1%)

 ユニ・チャーム <8113> が急反発。同社が16日、17年12月期の期末配当を従来計画比2円増額の11円とし、中間配9円とあわせた年間配当は20円になると発表。また、18年12月期の年間配当は前期比4円増配の24円とする方針を示しており、これが好感されたようだ。あわせて公表した18年12月期通期の連結業績は、売上高6870億円(前期比7.1%増)、税引き前純利益930億円(同0.1%増)を予想。国内は原料価格の高騰などで収益性が悪化するとみている一方、アジア圏は中国でのベビーケア事業の収益性改善やインドネシアでの販路拡大などを見込んでいる。

■ネットワン <7518>  1,550円 (+78円、+5.3%)

 ネットワンシステムズ <7518> が急反発。東海東京調査センターが15日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を1830円から1850円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同社の第3四半期累計(17年4-12月)営業利益は前年比約4.5倍の38億6000万円で着地し、同センターの予想を20億円上回ったが、現在、同社が収益および労働量の平準化を図っている点や、通期業績が予算を超過した場合、超過幅に応じて賞与が増加する点などを考慮し、18年3月期通期営業利益予想の上方修正幅は5億円にとどめると指摘し、前年比37%増の79億円を予想。続く19年3月期は同25%増益を予想している。

■五洋建 <1893>  784円 (+36円、+4.8%)

 五洋建設 <1893> が大幅高。15日、同社と東亜建設工業 <1885> の共同企業体が、アフリカのモザンビークで大型港湾工事を受注したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同国北部に位置するナカラ湾を浚渫および埋め立てし港湾エリアを拡張するとともに、コンテナ専用埠頭やアクセス道路、構内鉄道などを整備するもの。なお、受注金額は約256億円で、工期は36カ月を予定しているという。

■THK <6481>  4,505円 (+200円、+4.7%)

 THK <6481> が大幅続伸、全体波乱相場の影響で2月初旬から中旬にかけて大幅な調整を入れたが、26週移動平均線を長い下ヒゲで踏みとどまり、一気の切り返しをみせている。きょうは高値4740円まで買われる場面があり、1月23日につけた上場来高値4775円の更新まであと一息に迫った。世界的な企業の設備投資意欲を背景に半導体製造装置向けや工作機械向け直動システムが好調で収益を押し上げている。特に中国では政府主導で製造業の技術レベルを高度化する取り組みを進めており、FA機器需要の拡大が同社に追い風となっている。

■エムスリー <2413>  4,190円 (+185円、+4.6%)

 エムスリー <2413> が4日続伸。この日の朝方、米国で治験支援事業を行うウエーク・リサーチ・ホールディングス(ノースカロライナ州)の全株式を取得して完全子会社化し、治験事業に参入したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。ウエーク社は米国で12カ所の治験実施施設を運営し、神経科を中心とした複数の疾患領域に対応している。エムスリーでは、米で運営する医師向けWebサイト「MDLinx」を活用し、ウエーク社が運営する治験実施施設と組み合わせることで効率的な治験施設サービスを構築するとしている。

■栄研化 <4549>  4,835円 (+195円、+4.2%)

 栄研化学 <4549> が続伸で大幅高。15日、同社が3月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■京セラ <6971>  6,220円 (+228円、+3.8%)

 京セラ <6971> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が15日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエイト」とし、目標株価を8000円から8500円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、第3四半期決算発表以降、対TOPIX比での株価はソーラー関連の減速を懸念して大幅に下落したが、SPE用部品や自動車部品、半導体パッケージ、MLCCなどの部品事業で成長力が顕在化すると指摘。ソーラー関連の減速などを織り込み、18年3月期の営業利益を1480億円から1360億円へ、19年3月期を同1660億円から1600億円へ下方修正したが、20年3月期はセラミック系部品の需要拡大による増益効果で1800億円から1850億円へ上方修正している。

■積化成 <4228>  1,107円 (+40円、+3.8%)

 積水化成品工業 <4228> が大幅続伸。15日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の1.24%にあたる56万8000株(金額で7億9520万円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月16日から2月28日まで。うち44万5000株については、16日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は15日終値の1067円)を実施する。

■片倉 <3001>  1,317円 (+35円、+2.7%)

 片倉工業 <3001> が反発。15日の取引終了後、子会社トーアエイヨーが不整脈治療剤と利尿剤のジェネリック医薬品2成分3品目について、製造販売承認を取得したと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。同社では、今回製造販売承認を取得した3品目を新たに加えて、循環器医療で必要とされるスペシャリティファーマを目指すとしている。

■伊藤忠テクノ <4739>  4,085円 (+90円、+2.3%)

 伊藤忠テクノソリューションズ <4739> が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は15日、同社株のレーティングを「ニュートラル」から「オーバーウエイト」へ引き上げた。目標株価は4900円から5000円に見直した。株価の下落を受け、レーティングを見直した。クラウドを含むサービス拡大による収益性向上とIT投資意欲が旺盛な流通・EP(エンタープライズビジネス)の需要取り込みに注目している。第3四半期の受注は前年の大型案件の反動を除けば、ほぼ前年並みと順調であり、通信向けシェアの維持・上昇は可能であることなどを評価している。

■みずほFG <8411>  198.4円 (+2.1円、+1.1%)

 みずほフィナンシャルグループ <8411> などメガバンクが続伸。三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> も買われた。米長期金利上昇に連動する買いが引き続き流入している。米10年債利回りは15日、一時2.94%と4年1ヵ月ぶりの水準に上昇。米長期金利の上昇が、国内市場にも波及し銀行にとって利ザヤ拡大につながるとの期待が強い。

■NTT <9432>  4,702円 (+47円、+1.0%)

 日本電信電話 <9432> が続伸。ドイツ証券は15日、同社株のレーティングを「ホールド」から「バイ」へ引き上げた。目標株価は5100円としている。足もとの株価下落は行き過ぎとし「PER10倍、相対PER0.6倍という魅力的なマルチプルでキャピタルリターンの合計が10年債を約6%上回る大手通信銘柄を買う好機」と指摘している。「長期にわたる効率性向上の可能性」「IoTサービス提供に向けた業界との提携」「回線交換ネットワークが終了した暁には多くが再開発可能な約7000棟の所有物件」などの点も再評価ポイントとして取り上げている。

※16日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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