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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

安永 <日足> 「株探」多機能チャートより

■安永 <7271>  2,511円 (+188円、+8.1%)

 安永 <7271> が4日ぶり急反発。同社が14日取引終了後に発表した17年4-12月期の連結決算は、売上高が259億1700万円(前年同期比8.2%増)、営業利益13億8800万円(同30.8%増)、最終利益9億8400万円(同3.6倍)と増収大幅増益を達成した。エンジン部品の売り上げが大きく伸びて全体を押し上げている。これを受け、通期業績予想も上方修正、売上高を335億円から348億円(前期比2.3%増)へ、営業利益を12億円から14億2000万円(同3.3%減)へ、最終利益を7億円から9億5000万円(同2.8倍)へ増額しており、これをポジティブ視する買いを誘った。

■あいHD <3076>  2,808円 (+209円、+8.0%)

 あい ホールディングス <3076> が4日ぶり急反発。14日に発表した「電気器具用精密部品メーカーを買収」が買い材料。電気器具用精密部品の製造販売を手掛けるイシモリテクニックスの株式を取得し子会社化する。

■セイノーHD <9076>  1,807円 (+132円、+7.9%)

 セイノーホールディングス <9076> が5日ぶり急反発。14日大引け後(15:10)に決算を発表。18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比5.1%増の232億円に伸び、通期計画の288億円に対する進捗率は80.8%に達し、5年平均の76.4%も上回った。

■キリンHD <2503>  2,721.5円 (+177.5円、+7.0%)

 キリンホールディングス <2503> が続急伸。14日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の5.5%にあたる5000万株(金額で1000億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は2月15日から12月28日まで。同時に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。18年12月期の連結税引き前利益は前期比0.5%増の2350億円とほぼ横ばいの見通しとなった。年間配当は前期比2円増の48円を計画する。

■SHIFT <3697>  3,815円 (+235円、+6.6%)

 SHIFT <3697> [東証M]が3日ぶり急反発。14日に発表した「セキュリティ診断支援ソフト提供開始」が買い材料。ビットフォレストと業務提携し、セキュリティ診断内製化支援パッケージ「VAndS」の提供を始める。

■LINK&M <2170>  917円 (+56円、+6.5%)

 リンクアンドモチベーション <2170> が急反発。14日大引け後(15:30)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。17年12月期の連結最終利益は前の期比16.8%増の21億円になり、18年12月期も前期比20.1%増の25.3億円に伸び、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。

■応用地質 <9755>  1,497円 (+87円、+6.2%)

 応用地質 <9755> が3連騰。14日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の4.06%にあたる110万株(金額で15億5100万円)を上限に、15日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買い(買い付け価格は14日終値の1410円)を実施すると発表したことが買い材料。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。同時に決算を発表。17年12月期の連結経常利益は前の期比39.4%減の12.2億円に落ち込んだが、18年12月期は前期比47.5%増の18億円にV字回復する見通しとなったことも支援材料。

■リクルート <6098>  2,535円 (+147円、+6.2%)

 リクルートホールディングス <6098> が4日ぶりに急反発。14日の取引終了後、18年3月期の連結業績予想について、売上高を2兆840億円から2兆1660億円(前期比11.5%増)へ、営業利益を1855億円から1915億円(同1.0%減)へ、純利益を1220億円から1490億円(同9.0%増)へ上方修正したことが好感された。求人情報検索エンジン「Indeed」サービスを展開するHRテクノロジー事業や、人材派遣事業を中心に足もと業績が計画を上回って推移していることが上方修正の要因という。また、米国や欧州における税制改正などの影響を受けて、法人所得税費用が減少したことも寄与する。なお、同時に発表した第3四半期累計(17年4-12月)決算は、売上高1兆6168億9700万円(前年同期比13.6%増)、営業利益1666億7900万円(同0.8%減)、純利益1286億1300万円(同8.1%増)だった。

■大本組 <1793>  5,500円 (+270円、+5.2%)

 大本組 <1793> [JQ] が大幅に3日続伸。14日大引け後(16:00)に配当修正を発表。「今期配当を10円増額修正」が好感された。18年3月期の期末一括配当を従来計画の90円→100円(前期は5→1の株式併合前で20円)に増額修正した。

■第一生命HD <8750>  2,178円 (+104.5円、+5.0%)

 第一生命ホールディングス <8750> が5日ぶり急反発。14日取引終了後、18年3月期の連結業績予想の修正を発表。経常収益を6兆40億円から6兆7150億円(前期比4.0%増)へ、経常利益を4260億円から4720億円(同11.0%増)へ、最終利益を2260億円から3510億円(同51.8%増)へ修正した。最終利益は減益予想から一転5割増益予想に変わり、株価にもインパクトを与えている。資産運用収益が会社側の想定を上回ったほか、最終利益については米国の法人税減税に伴う米子会社の「繰り延べ税金負債」の取り崩しなどが寄与する。米長期金利の上昇が続くなか、米国事業での利ザヤ拡大期待も改めて株価を刺激した。

■東エレク <8035>  20,060円 (+885円、+4.6%)

 東京エレクトロン <8035> が大幅続伸、800円を超える上昇で2万円大台回復を果たしたほか、SCREENホールディングス <7735> 、ディスコ <6146> など半導体製造装置関連株が買われた。今回の世界株安の震源地となった米国株市場はここ戻り局面にあり、半導体関連セクターも買い戻す動きが優勢となっている。14日はアプライドマテリアルズが好決算発表を先取りする形で5%近い上昇で引けており、これを受けて東京市場でも関連銘柄に物色の矛先が向いた。

■昭電工 <4004>  4,920円 (+210円、+4.5%)

 昭和電工 <4004> が大幅続伸。14日に決算を発表。17年12月期の連結経常利益は前の期比65.3%増の639億円と、従来予想の550億円を上回って着地。続く18年12月期も前期比65.7%増の1060億円に拡大し、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。今期は黒鉛市況の需給逼迫継続による市況上昇に加え、昨年10月に買収した独SGLカーボンの黒鉛電極事業が通期寄与し、無機部門の収益が急拡大する。併せて、前期の年間配当を30円→50円に増額し、今期も前期比20円増の70円に増配する方針としたことも買いに拍車を掛けた。14日終値ベースの予想PERが32.0倍→10.3倍に急低下し、割安感が強まったことも評価材料となった。

■住友鉱 <5713>  5,091円 (+208円、+4.3%)

 住友金属鉱山 <5713> が3日続伸で、今月2日以来の5000円大台復帰となった。ここ金市況の上昇が目立ち、NY金先物価格は14日時点で3日続伸し1月25日以来の高値に浮上、またニッケル価格もLMEで直近高値を抜き、15年5月以来の高値圏に入っており、同社株など非鉄関連セクターの株価を強く刺激する格好となった。

■セイコーHD <8050>  2,962円 (+102円、+3.6%)

 セイコーホールディングス <8050> が大幅反発。「グランドセイコー」などの高級時計が好調なほか、中国の越境ECによる中価格帯製品の売り上げ拡大が業績を押し上げている。同社が14日取引終了後に発表した18年3月期第3四半期累計(17年4-12月)の連結決算は売上高が2084億9100万円(前年同期比9.1%増)、営業利益は114億3400万円(同2倍)、最終利益は44億7000万円(同7.1倍)と著しい伸びを示した。通期業績予想は従来見通しを据え置いているが、通期営業利益90億円(前期比20.2%増)を既に超過している。

■任天堂 <7974>  45,840円 (+1,530円、+3.5%)

 任天堂 <7974> が反発、売買代金を伴い一時1600円高まで買われた。外国為替市場では急速にドル売り・円買いの動きが進み、足もとは1ドル=106円台半ばまで円高が進んでいる。同社株は海外売上比率が7割を超えており逆風が強いはずだが、「ニンテンドースイッチ」の販売台数が今第3四半期(4-12月)までに1200万台を超え、ソフト販売もマリオシリーズやゼルダなど自社ソフトでも大ヒットが相次ぐなど、円高デメリットを相殺するだけの好収益環境が意識されている。また、市場では「直近はゲーム関連株の範ちゅうでも、ソーシャル型ゲーム(スマホゲーム)関連株から据え置き型ゲーム関連株に資金シフトするファンド系の動きがみられ、同社株はその象徴となっているフシがある」(国内ネット証券)という指摘も出ていた。

※15日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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