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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~買い一巡後はこう着感の強い相場展開か

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

13日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:買い一巡後はこう着感の強い相場展開か
■決算チェック:シチズン時計の17年4-12月期営業利益は22.4%増、増益率拡大しコンセンサス上振れ
■前場の注目材料:ノリタケ、サンプル出荷、球状チタン酸バリウム粒子、機能部品を高性能化


■買い一巡後はこう着感の強い相場展開か

13日の日本株市場は買い先行の展開になろう。12日の米国市場では先週の急落に対する反動から買い戻しの流れが強まり、NYダウは続伸となった。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比275円高の21635円となり、これにサヤ寄せする格好から買いが先行しよう。また、225先物は先週末のナイトセッションがなかったこともあり、米国市場の上昇を織り込んでおらず、先物主導で上げ幅を広げてくる可能性がありそうだ。

一方で、先週市場で話題となったのが、ボラティリティの指数を含め指数連動のデリバティブ取引による影響だった。世界的な景気拡大や、緩和的な金融政策を背景に、2年間程度の低ボラティリティ相場が続く中、低位安定を想定したVIXベアの建玉が積み上がっていた。償還価格も設定時から4倍近く上昇。これが米長期金利の上昇を背景とした米株安を受けて、対象となるVIX指数が過去最大の上げ幅を記録。VIXベアは一気に9割以上下落する格好となった。

対象となるVIX指数が3%程度変動すると先物を売るとみられているが、足元でのVIXの変動率はこれを大きく上回っており、相場下落の一因となっている。ポジション解消の動きは一巡したとの見方がされるものの、1、2日で需給状況が一気に改善するとは考えづらく、しばらくは波乱含みの相場展開が続きそうだ。そのため、買い一巡後はこう着感の強い相場展開となりそうだ。

物色としては本日も300社を超える決算が予定されており、個別対応に。また、仮想通貨取引所大手コインチェックが通貨流出問題で金融庁に報告を提出する期限を迎えるほか、15日から中国は春節(旧正月)に入る。また、16日は北朝鮮の故金正日氏の誕生日となる。仮想通貨関連への見直しやインバウンド関連、防衛関連などへの資金シフトも意識されよう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■シチズン時計の17年4-12月期営業利益は22.4%増、増益率拡大しコンセンサス上振れ

シチズン時計<7762>の17年4-12月期(第3四半期累計)営業利益は前年同期比22.4%増の222億円となった。売上高は同2.5%増の2442億円だった。時計事業は全体的に緩やかな回復傾向が継続し、収益性改善により25.4%営業増益となった。国内では消費回復に勢いを欠き、期初の遅れを挽回できなかったが、海外では中国の回復や為替の円安がプラス寄与した。工作機械事業は受注好調が続き47.3%営業増益となった。18年3月期の通期業績については、営業利益を従来予想の235億円(前期比9.3%増)で据え置きとする一方、経常利益見通しを245億円から250億円(同13.7%増)、純利益見通しを160億円から170億円(同2.6%増)にそれぞれ引き上げた。また、今期末に1株当たり5.00円の記念配当を実施することも発表している。期末配当は普通配当8.50円を加えた13.50円、年間配当は22.00円(前期17.00円)となる。4-12月期営業利益は4-9月期(10.1%営業増益)より増益率が拡大し、市場コンセンサスも10億円強上回っておりポジティブな印象。


■前場の注目材料

・米インフラ投資に22兆円
・NYダウは上昇(24601.27、+410.37)
・ナスダックは上昇(6981.96、+107.47)
・SOX指数は上昇(1279.14、+23.33)
・NY原油は上昇、(59.29、+0.09)
・日銀、大規模な金融緩和を維持
・好業績銘柄への資金シフト
・シカゴ日経225先物(21635、+275)

・ノリタケ<5331>、サンプル出荷、球状チタン酸バリウム粒子、機能部品を高性能化
・三井住友<8316>、海外送金、依頼人が確認、法人向けサービス、邦銀で初


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間5年超10年以下)(日本銀行)

<海外>
特になし

《HT》

 提供:フィスコ

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